携帯電話料金の見直しと同様に、光回線の料金見直しも重要です。SoftBank光の割引終了と通信トラブルをきっかけに「NURO光 One」への乗り換えを決意しました。公式サイトでは「工事1回ですぐ開通」とうたわれていますが、実際はどうだったのか――。
この記事では、私が実際にNURO光を申し込み、開通までにどれだけ時間がかかったのか、どんなトラブルがあったのかを詳しく紹介します。これからNURO光を検討している方にとって、リアルな体験談として参考になれば幸いです。
光回線の乗り換えを検討した理由
現在利用しているのはSoftBank光(実際にはNTTフレッツ回線)です。以下の2つの理由から、乗り換えを検討することにしました。
料金が高くなった
2年間の割引期間が終了し、月額料金が8,000円を超えるようになりました。通信費としては、さすがに割高感があり、昨今の物価高もあり、できれば改善したいところです。
通信が不安定なことがある
在宅勤務中にネットワークの切断がたびたび発生するようになりました。公式の障害報告には「不通のお知らせ」は出ていませんが、実際には接続が途切れてしまい仕事に支障が出ています。原因がONUの不具合なのか、SoftBankやNTTが把握していない局所的な障害なのかはわかりません。こうした不満から、より安定した回線と料金の見直しを目的に、光回線の乗り換えを検討しました。
価格.comで調べたところ、3年間の平均コストが割安な「NURO光 One(3年契約・戸建てプラン)」が目に留まりました。
NURO光 Oneとは
NURO光 Oneは、これまで問題とされてきた「**開通までの遅さ**」を改善した新しいプランです。従来のNURO光では、工事が「屋内」と「屋外」の2回に分かれており、開通まで数か月待たされるケースも多くありました。
しかしNURO光 Oneでは、「工事が1回で完了し、すぐに使える」ことを売りにしています。
ただ、私の場合は少し特殊で、以前契約していたNURO光の回線が撤去されずに残っていたため、次の2点が気になりました。
- 既存回線を流用できるのか
- 価格.com経由のキャンペーン割引が適用されるのか
この2点を確認するため、申し込み前にNURO光の申込窓口に電話をしました。
結果、「既存回線の流用も可能」「キャンペーン割引の対象」との回答を得られたため、申し込みを行いました。
工事当日になって判明したこと
実際の、申込みから工事までの流れは以下の通りです。
- 申込日:8月24日
- 工事日確定:8月27日
- 訪問工事:9月11日(土日工事は追加費3,000円なので注意が必要!)
順調に進んでいるように思えましたが、ここで予想外の事態が発生しました。
なんと、NURO光Oneでは、既存回線の流用はできなかった のです。
工事当日に来た業者の方の説明によると、
> 「NURO光から、新規回線引き込み工事の指示が出ているため、既存回線の流用工事はできません。」とのこと。
つまり、事前に確認していた内容とは異なっており、プランの見直しが必要になります。
結局その日は、既存回線が生きていることを確認しただけで終了。開通作業はまったく進まず、再びNURO光の窓口に電話をして、手続きのやり直しが必要となりました。
最終的にNURO光 Oneの契約をキャンセル(9月19日)し、従来のNURO光プランで再申し込みを行うことにしました。
結局、開通まで時間がかかるNURO光
改めてNURO光の窓口に電話をして確認したところ、次のような回答でした。
- NURO光Oneではない、通常のNURO光のプランなら、既存回線の流用は可能
- キャンペーン割引も対象になる
- ただし、開通までには「屋内工事」と「屋外工事」の2回が必要
つまり、NURO光 Oneで改善されたはずの「2回工事制」は、従来プランでは依然として変わっていないということです。結果的に、再び長期間の開通待ちを覚悟することになりました。ちなみにNURO光が定義する「屋内工事」「屋外工事」とは以下のような作業です。
屋内工事とは?
屋内工事とは、自宅内で光回線の機器(ONU)を設置したり、光ファイバーを宅内に引き込んだりする作業です。作業自体は1〜2時間ほどで終わりますが、工事日程は地域の業者のスケジュール次第です。繁忙期には数週間先になることもあります。
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屋外工事とは?
屋外工事は、電柱から自宅まで光ファイバーを接続する作業のことです。この作業にはNTTの設備会社や電力会社との調整が必要で、通常は屋内工事終了後からさらに3週間以上先になります。
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その結果、実際の開通までのスケジュールは以下のようになりました。
- 再申し込み:9月16日
- 屋内工事:10月2日
- 屋外工事日程調整のお知らせ:10月10日
- 屋外工事実施:10月31日
- 光電話を利用する場合はさらに後日、NTT局内工事が必要
NURO光を契約するときの心構え
NURO光は、1Gbpsが主流だった時代に2Gbpsの回線を全国に広めたパイオニア的存在であり、その功績は大きいと思います。通信速度や料金の面では、今でも非常に魅力的なサービスです。しかし、今回の体験を通して改めて感じたのは、次の2点です。
開通までの時間が長すぎる
「すぐ使いたい」というニーズに応えられず、2〜3か月待ちは非常に長く感じます。高速回線を手頃な価格で提供するには、仕方がないことなのかもしれませんが、このスピード感のなさは経営上の大きな課題です。
問い合わせ窓口の対応が不十分
NURO光では、AIチャットでの回答を基本としており、なかなか電話窓口にたどりつけません。AIチャットも、よくある質問に対する一般的な回答がほとんどです。とくに今回のようなケースには対応できず、チャットbotを何度もたらい回しにされ、非常に不快な思いをしました。
まとめ:NURO光を検討するなら時間と心の余裕を
NURO光は通信速度・料金ともに魅力的ですが、「すぐ使いたい」という方にはおすすめしにくいサービスです。申し込みを検討している方は、以下の点を意識しておくと良いでしょう。
開通まで最低2か月以上はかかると覚悟する
申込からすべてのサービスが使えるようになるまで最低でも2ヶ月、オプションサービスなどを検討している場合には3ヶ月以上かかることを覚悟しておいたほうがよいでしょう。現在利用している光回線の割引サービス終了や、契約更新期間のタイミングで回線切り替えを行いたい方は、かなり前もって検討をはじめないと、タイミングを逃し、余計な費用が発生する場合もあるので注意が必要です。
サポート対応に期待できないと覚悟する
現在どの企業でも、問い合わせ窓口の人件費削減のため、AIチャットの活用が進んでいます。一般的な回答ならよいのですが、ちょっと複雑な、通常とは異なるトラブルに遭遇したときには、非常に困ります。すぐに問い合わせ窓口を教えてもらえず、なかなか電話で質問できませんので、忍耐強く対応が必要です。
特にNURO光の場合は、電話窓口にたどり着くまでの苦労が、NTTフレッツやauひかり、SoftBank光などの他の通信会社よりも多くかかる気がします。
まったくの新規でNURO光 Oneに申し込む場合には、問題が発生しないのかもしれませんが、ひとたびトラブルに巻き込まれるとかなり面倒な光回線業者です。
時間に余裕があり、通信速度を重視したい方にとってはNURO光は今でも魅力的な選択肢です。ただし、「申し込んですぐ使いたい」「サポートサービスが充実していてほしい」という方は、ドコモ光やauひかりなど、他の回線を検討したほうがよいかもしれません。
それでもNURO光を使いたい場合
そうはいっても今回はNURO光に移行することは決めてしまいましたし、以前契約して苦労した経験からある程度トラブルへの対処法は心得ているつもりです。
以前NURO光を契約していたときには、提供されるWi-Fiルーター付きONUでいろいろトラブルがあり、高速通信速度を引き出すのにかなり苦労しました。原因はNURO光が提供するONUなどの通信機器によるものです。こうした技術トラブルに遭遇した場合、ITやネットワーク機器に詳しくない方が対応するのはかなり難しいと思います。
そういった意味では、NURO光はやや玄人向けの光回線かもしれません。
いまも同じようなトラブルに遭遇している方もいるかもしれませんので、参考までに当時の記事のリンクを貼っておきます。
【F660A vs. 外付Wi-Fiルーター】NURO光で夢の800Mbps超えを達成したのは?
(図解)NURO光ONUとバッファローWi-Fiルーターのつなぎ方
NURO光のONU: ZTE製ZXHN F660Pは”アタリ”で、ZXHN F660Aは”ハズレ”説は本当か?
ちょっと待った!NURO光のONU “NSD-G1000T”をおすすめしない3つの理由
NURO光 Oneでは、「ソニー製 Wi-Fi付きONU」の無償提供を売りにしているようですが、私はまったく魅力を感じません。しかし、「ソニー製」という名前だけで魅力を感じる人は多いように思います。ソニーは通信機器の専門メーカーではないので、私だったらBuffaloやNECのWi-Fiルーターを使いますが。
2025年最新|Wi-Fi 7は時期尚早?おすすめのWi-Fiルーター徹底解説


