外出の機会が増え、スマホで外でデータ通信する量が増えました。そうなると毎月3GBでは足りず20GBのデータ容量が欲しくなります。現在20GBの格安SIMで最もおすすめな “ahamo”の魅力について紹介します。
ahamoはどんな格安SIM?
1.月額料金
・MNOの料金プランとahamoの位置づけ
・MVNOの料金プランとahamoとの比較
2.通信品質
3.通信エリア
4.海外利用
結論:月間20GBのおすすめSIMは?
ahamoはどんな格安SIM?
格安SIMには、MNOとMVNOがあるのはご存知の方も多いと思います。
MNOは、「Mobile Network Operator」の略で、「移動体通信事業者」いわゆる”キャリア”と呼ばれ、自社でモバイル用の回線網を有し、通信サービスを提供している会社です。MVNOは、キャリア回線を借受け、モバイルサービスを提供している事業者です。(MNO, MVNOの違い)
ahamoは、MNOであるNTTドコモが2021年3月から提供開始したスマホの廉価版料金プランです。
ahamoは、「月間20GBで2,970円」という非常にシンプルなプランでNTTドコモ回線を使ったモバイル通信サービスを提供しています。
日本には、数十のMNO、MVNOの格安SIMが存在しますが、月額料金だけで考えた場合、ahamoより安いSIMも存在します。しかし、月額料金だけでなく、通信品質、通信エリアの広さ、海外利用を総合的に考えた場合、月間20GBのデータ容量をもち、日本国内で最も優れたスマホの通信プランは “ahamo”です。(2023/9/9現在)
以下に「月額料金」「通信品質」「通信エリア」「海外利用」の4つの観点で、20GB格安SIMとしてahamoが最も優れている理由を順番に解説していきます。
月額料金
月間20GBのおすすめSIMを選ぶために、まずは月額料金を比較します。
スマホの月額料金を比較するときに、注意しなければならないのは、目先の料金表示に騙されないということです。
最近、よく見かけるのは、いろいろなセット割引を適用したあとの料金を、あたかも 誰にでも適用される基本料金のように説明する手法です。以下にY!mobileの例を挙げますが、本当の基本料金は 4,015円なのに、光回線とのセット割と、PayPayカードの入会割引を適用した 2,178円を正規料金であるかのように見せています。
家族割や、光回線、ガス・電気、カード入会などのセット割が適用されたあとの金額で 格安SIMの料金比較をするのはおすすめしません。例えば、家族の1人が別の携帯会社に移動してしまえば、家族割が適用されず元の高い基本料金に戻ってしまいます。また、光回線とのセットにしてしまうと、光回線の割引キャンペーンが終わったあとに別の光回線に移行してしまうと、スマホの割引は受けられなくなり基本料金に戻ってしまいます。
料金体系は、各種割引を適用する前の金額で比較するのが、中長期的には正しい費用が把握できます。以下では、セット割がない状態での基本料金でスマホ料金プランを比較していきます。
MNOの料金プランとahamoの位置づけ
日本には、NTTドコモ、au、SoftBank、楽天モバイルの4社のMNOが存在します。NTTドコモ、au、SoftBankの3社では、名称、サービス品質、料金体系を変えた複数のサービスを提供しています。
キャリア回線
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メインブランド
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サブブランド
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格安SIM
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NTTドコモ
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eximo, irumo
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ahamo
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(OCNモバイルONE)
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au
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au
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UQmobile
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povo 2.0
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SoftBank
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SoftBank
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Y!mobile
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LINEMO
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楽天モバイル
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楽天モバイル
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月間20GBの料金体系をもつMNO事業者のサービスの一覧とその月額料金は以下の通りです。(2023/10/9現在) ここに掲載されている月額料金は、各種セット割を適用しない基本料金です。
20GB 税込月額料金
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データ上限
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備考
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7,315円
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無制限
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N/A
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上限9GB(3,377円)まで
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2,970円
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20GB上限
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4,928円
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無制限
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使い放題MAX
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3,278円
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20GB上限
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コミコミプラン
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2,700円
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20GB上限
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データ追加20GB(30日間)
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7,425円
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無制限
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メリハリ無制限
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4,015円
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20GB上限
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シンプルMプラン
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2,728円
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20GB上限
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スマホプラン
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2,618円
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30GB上限
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これらの表から、20GBのデータ容量をもち月額3,000円を切る格安SIMは、ahamo、povo 2.0、LINEMO、楽天モバイルであることがわかります。
MVNOの料金プランとahamoとの比較
次にMVNOの料金プランとahamoを比較します。
日本にも数十のMVNOがありますが、提供しているサービスにそれほど大きな違いはありません。MNOのスマホプランに比べて月額料金が安い分、なんらかのデメリットが存在します。
ここでは、これらMVNOの格安SIMの中で、比較的利用者が多い、もしくは通信品質が安定しているIIJmioと日本通信SIMの料金プランを掲載します。
20GB 税込月額料金
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データ上限
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備考
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2,970円
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20GB上限
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2,000円
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20GB上限
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音声SIM
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2,178円
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20GB上限
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合理的20GBプラン
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その他に、mineo、LIBMO、exciteモバイル、イオンモバイル、NUROモバイル等がありますが、どこも料金体系は似通っており、MVNOの格安SIMでは、20GB 2,000円前後というのが相場になっています。ahamoの2,970円と比べると大変お得に見えますが、この月額1,000円の違いは、このあと説明する「通信品質の違い」が影響します。
通信品質
通信品質を決める2大要素は、「平常時の通信速度」「混雑時の通信速度(つながりやすさ)」です。一般的に、MVNOのSIMより、MNOのSIMのほうが、通信品質は良くなりますが、MNOのSIMの中でも違いはあります。
MNOが提供するSIMを通信品質が良い順に並べると メインブランド>サブブランド>格安SIM となります。
例えば、SoftBankでは、 SoftBank > Y!mobile > LINEMO の順で通信品質が落ちていきます。 auでは、au > UQmobile > povo 2.0の順です。
私は過去に、 Y!mobile, LINEMO, UQmobile, povo 2.0を試しましたが、どれも実用上困るということはありませんでした。
ただし、MNO系の格安SIMにおいては、日中 通信速度が若干劣ったり、つながりにくさを感じることはたまにあります。
そのあたりの体験記については、こちらに記事があります。
ahamoは、NTTドコモにおいては、eximo/irumoに続く サブブランドの位置づけですので、通信速度において困ることはまずありません。
一方、MVNOの最大の弱点は、「平常時の通信速度が遅いこと」「混雑時につながりにくいこと」です。この問題は、月額料金の安さに比例して遭遇する確率があがります。
つまり、月額料金が安ければ安いほど、平常時の通信速度が遅かったり、平日ランチタイムや夕方などの混雑時に通信が繋がらずにイライラすることが増えるのです。
そのあたりの体験記は以下の記事に書いています。
いつでも安定したデータ通信を確保したい場合には、MNO系のSIMを検討したほうが安全でしょう。
通信エリア
「通信エリアの広さ」は、基本的には、使っているキャリア回線に依存します。MVNOでもMNOでも同じキャリア回線を使っていれば基本的に提供エリアは変わりません。
結論からいうと、回線の提供エリアの広さを広い順に並べると、NTTドコモ>au > SoftBank >> 楽天モバイル です。
「楽天モバイル」は、全国を網羅できておらず、一部地域を auのローミングでカバーしているため論外とします。
残りのNTTドコモ、au、SoftBankについては、都市部で暮らしていると通信エリアの違いがわかりません。しかし、洋上や山岳部にいくとNTTドコモ回線の優秀さがわかります。
洋上ではありますが、3社の回線をもつ格安SIMで試し、調べたことがあります。
海外利用
実は、MVNOのスマホプランでは、海外でのデータ通信に対応できません。
その場合、海外の通信会社に対応したSIMを事前か現地で購入して利用する必要があります。
一方、MNOの場合には、通常 海外で利用するデータ容量や日数に応じて別途料金を支払う必要があります。
海外でのデータ通信利用で、追加料金が発生しないMNOの料金プランが3つあります。
1つは、SoftBankのアメリカ放題です。アメリカ放題では、グアム・サイパンを除く、アメリカ合衆国(含むハワイ)で、なにも気にせずデータ通信が使い放題になるサービスです。SoftBankでデータ通信が使い放題になるのは、アメリカ合衆国のみです。それ以外の国は 追加料金が発生します。
もう一つは楽天モバイルですが、無料となるのは毎月2GBまでです。
海外のデータ通信で追加料金が発生しないスマホプランの最後の一つが、実は NTTドコモのahamoなのです。
ahamoでは、追加料金不要で、海外82の国・地域でデータ通信が利用できます。(ahamoの海外データ通信)日本人の渡航先の約95%をカバーしています。ただし、海外利用の上限は一ヶ月20GB以内、自分のギガの残容量以内です。
図)ahamoの海外データ通信の対象国
NTTドコモの料金プランのうち、irumoとeximoについては、海外でのデータ通信は「世界そのままギガ」というサービスになります。このサービスはahamoとは異なり、追加料金が発生します。
その他のスマホプランでの海外データ通信についてはこちらの記事を参照ください。
参考記事)日本のスマホプランは海外旅行でも利用できる? 海外データ通信料金のキャリア別比較
結論:月間20GBのおすすめSIMは?
さて、これら4つの要素を考慮して月間20GBのおすすめSIMを選ぶ場合、おすすめは「ahamo」一択になります。
まず、通信品質を考えると、MVNO系の格安SIMは検討対象から外れ、ahamoを含むMNO系の料金プランで検討することになります。(料金の安さを追求する場合には、この限りではありません)
次に、20GBを提供するMNO系のSIM同士を比較すると、月額料金3,000円を切るのは ahamo、povo 2.0、LINEMO、楽天モバイルとなります。
ただし、通信エリアを考えると、全国をカバーできていない楽天モバイルという選択肢はありません。
また、通信品質で残りの3つahamo、povo 2.0、LINEMOを比較すると、povo 2.0とLINEMOは、それぞれau、SoftBankの格安SIMであるため、通信品質がahamoより劣ります。ahamoは、NTTドコモのサブブランドとして位置づけられているため、通信品質は povo 2.0 やLINEMOに比べ高くなります。
さらに、海外利用を考えたときに、日本で契約しているデータ容量が、SIMの入れ替えなしに、海外でも使えるahamoは大変魅力的です。
よって、毎月20GBの料金プランを比較・検討したときに、ahamoが 最強といえるのです。