徹底検証 povo 2.0 月額0円からの格安SIMは副回線最有力候補|その実力は?

格安SIM 後悔しない格安SIM

KDDIが展開する格安SIMサブブランド「povo 2.0」を試してみました。その使い勝手を報告します。

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povo 2.0とは

povo 2.0は、2021年9月からKDDIが提供を開始した格安SIMのサブブランドです。

「povo」は、英語で「新たな視点」を意味する「point of view」と、ラテン語で「卵から」、「最初から」を意味する「ラテン語: ab ovo」が由来で、顧客のニーズに合わせて、料理のようにトッピングができることをコンセプトとしているとのことです。

他の格安SIMとは異なるユニークな特徴があり、その特徴を活かすと、さまざまな利用の仕方に対応できます。例えば以下のような場合です。

  • 毎月のデータ使用量が少ない人
  • 毎月のデータ使用量に極端なばらつきがある人
  • 副回線をできるだけ安く確保したい人

まずは、これらを可能にするpovo 2.0の特徴についてみていきましょう。

povo 2.0のメリット

povo 2.0には以下のようなメリットがあります。

  1. 柔軟な価格体系
  2. 初期費用が無料
  3. eSIM対応
  4. 良好な通信品質
  5. 大容量データがお得

ユニークな価格体系

povo 2.0の最大の特徴は、「月額0円〜」という価格体系です。「通話もデータ通信も、何も使わなければ月額0円」というのは、他の格安SIMにない特徴です。

povo 2.0のトッピング

料金体系が明確であり、「使いたいときに、使う分だけトッピング(チャージ)する」という考え方です。povo 2.0では、データ容量追加のことを「トッピング」と呼んでいますが、その種類は以下の6つです。
トッピング種類
有効期限
税込金額
データ使い放題(24時間)
24時間
330円
1GB
7日間
390円
3GB
30日間
990円
20GB
30日間
2,700円
60GB
90日間
6,490円
150GB
180日間
12,980円
この価格体系は「できるだけお金をかけずに副回線を確保したい」というニーズに非常に合致します。そのため、主回線に障害が起きたときのための副回線としてpovo 2.0を契約する人もいます。

初期費用が無料

通常、格安SIMを新規契約する場合の初期費用には、契約事務手数料(通常 3,300円)とSIMカード発行手数料があります。povo 2.0ではこれらの初期費用が無料です。

よくあるご質問」欄にかかれている通り、新規契約の場合の契約事務手数料は無料です。

また、eSIMの発行、再発行手数料も「povo サポート」に記載があるように、いまのところ無料です。

「eSIMの再発行手数料無料」というのも、携帯の機種変更を近々予定している人にはありがたい点です。
eSIMは 特定の携帯端末に固有のものであり、機種変更をするとeSIMの再発行が必要となります。
通常、eSIMの再発行手続きは有料(1,100円〜3,300円)である場合が多いからです。

eSIM対応

既に主回線を契約しており、デュアルSIMで副回線を追加したい場合には、その格安SIMがeSIMに対応しているかどうかも、選ぶときの重要なポイントとなります。
android端末の場合は、SIMカードスロットが2つありますが、iPhoneの場合にはSIMカードスロットが1つしかありません。
iPhoneでデュアルSIMにする場合には、片方のSIMをeSIMにする必要があります。
しかし、格安SIMの中には eSIM非対応のものもあります。
povo 2.0 は eSIMに対応していますので、iPhoneでもAndroidでもデュアルSIMがしやすくなっています。

良好な通信品質

格安SIMを評価するときに重要なポイントは、料金体系と通信速度です。povo 2.0は、auのサブブランドということもあり、通信品質はかなり安定しています。

通信速度の評価は、場所・時間帯の2つの観点が必要です。
以下に測定結果を記載しますが、自宅、平日および休日の外出先での結果です。
自宅周辺では、夜間に若干通信速度が遅くなるものの、実用的には問題ない範囲でした。
日曜早朝 自宅
下り40.4Mbps 上り 9.27Mbps
日曜 夜 自宅
下り12.5Mbps 上り 10.7Mbps
povo 自宅 朝
また、通勤時にも、職場周辺、移動途中のいずれの場合でも東京23区内ということもあってか、通信速度にまったく問題はありませんでした。
平日昼 職場周辺(都内)
下り61.55Mbps 上り 17.15Mbps
平日 夕方 都内
下り40.62Mbps 上り 25.06Mbps

大容量データがお得

意外と見落としがちですが、povo 2.0は大容量データがお得です。
例として、NTTドコモのサブブランドである「ahamo」と比較してみます。
3ヶ月 60GBで 8,910円のahamoに対して、povo 2.0では、3ヶ月 60GBで6,490円のトッピングメニューを提供しています。
月間データ容量
月額料金(税込)
3ヶ月データ容量
3ヶ月(90日間)料金
NTTドコモ
20GB
2,970円
60GB
8,910円
povo 2.0
KDDI
60GB
6,490円
通信速度は、NTTドコモのサブブランドである「ahamo」のほうが高速だとは思いますが、実用面でいえば動画を視聴する場合でも、15Mbps以上が確保できいていれば問題ありません。povo 2.0では動画が視聴できるレベルの通信速度は確保できますので、この点からもこの価格体系はお得と言えます。

povo2.0の要注意点

一見万能に見えるpovo 2.0ですが、要注意な点が2つあります。

申し込み手順がやや面倒

povo 2.0の申込み方法は、他の格安SIMと違い、非常に限定されていて特殊なので注意が必要です。
povo 2.0は、対面契約ができる窓口がなく、ネットでしか申込みができません。
しかもPCからは申込みができず、スマホで povo 2.0アプリをダウンロードし、eKYC(電子本人認証)を使って申し込みます。
eKYC(電子本人認証)とは「electronic Know Your Customer」の略称で、オンライン上で本人確認を完結するための技術です。
手続きに必要なものは以下の3点です。
  • メールアドレス
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • (写真撮影ができる状態の)自分
以下の説明動画をみるとわかりますが、最後の「スマホで自分を撮影する」という手順に注意が必要です。
撮影した本人画像はAIで自動的にチェックをかけて本人確認書類と照合していると思われ、プライバシー上の問題から誰か人間がチェックしてはいないと思われます。そのため、本人確認書類の写真と明らかに異なる状態で撮影に臨むと、認証エラーを起こす可能性があります。またアプリで申込みをはじめてから、本人撮影の段になって慌てて身なりを整えはじめ、準備に時間がかかりすぎると、タイムアウトになり、申込みを初めからやり直すことなります。
申込み手続きを始める前に、場所、身なりをふくめ、自分を撮影できる状態にしておく点に注意が必要です。

データ容量追加料金と有効期限

povo 2.0では、データ容量は、必要なときに必要なだけ購入することになります。
1GBだけデータを追加したいときの料金は、他の格安SIMにくらべて特別安くも高くもありません。しかし、1GBや3GBなど容量が少なくなるほど 有効期限が短くなるので注意が必要です。
繰り越しという考え方はありませんので、トッピングの期限が切れると、残りのデータ容量は無効になってしまいます。
格安SIM 有効期限 1GBのデータ追加費用(税込)
日本通信SIM その月の月末まで 220円
povo 2.0 7日間 390円
LINEMO その月の月末まで 550円

povo 2.0がおすすめな人は?

以上をまとめると、povo 2.0が適していると思われるのは以下のような人です。

  • 毎月のデータ使用量が少ない人
  • 毎月のデータ使用量に極端なばらつきがある人
  • 副回線をできるだけ安く確保したい人