在宅勤務に適したモニター環境をつくるための強い味方がモニターアームです。
モニターアームには種類が多数あり、一見選ぶのが難しそうに見えますが、エルゴノミクス(人間工学)的に理想的なモニター環境をつくれるモニターアームは 実は1つしかありません。その理由を説明します。
最適なモニター環境をつくるために必要なこと
モニターアームの検討ポイント
在宅勤務に適したモニター環境をつくるのに最適なモニターアームの選び方
まとめ:最適なモニターアームは?
高級モニターアームを安く買う裏技
最適なモニター環境をつくるために必要なこと
こちらの3本の記事で書いたとおり、最適なモニター環境をつくるためには機能・価格以外に検討が必要な大事な点があります。それは、「モニターの高さと視聴距離」です。
間違いだらけのモニター選び(1)機能・価格の前に検討すべきポイントは?
間違いだらけのモニター選び(2) モニターの高さ調整は意外と難しい?
間違いだらけのモニター選び(3) モニターの適正視聴距離は?
高さを調整するのにモニター台を購入したり、最適な視聴距離を確保するために モニターを後ろに下げる、あるいは自分が後ろに下がるなどの微調整をすると思います。
しかし、デスク周りの環境から、高さや視聴距離を思ったように調整できないこともあるとおもいます。そんな悩みを一挙に解決してくれるのが「モニターアーム」です。
モニターアームの検討ポイント
「モニターアーム」とは、モニターを取り付け、高さや奥行きを自由に調整できる機器です。
モニターアームを検討するときに、よく挙げられる項目は以下の4つです。
例えば、こちらのサイト(失敗しないモニターアームの選び方を、専門店がご紹介!)に各項目について詳しく書かれています。
・ディスプレイサイズと重量
・アームの種類
・モニター設置数
・取り付け方法
それぞれを簡単に説明すると以下のようになります。
ディスプレイサイズと耐荷重
ディスプレイの大きさで重さが変わるため、その重さに耐えられるモニターアームが必要になります。
24インチ以下
|
27インチ以下
|
28インチ以上
|
耐荷重 6kg
|
耐荷重 8kg
|
耐荷重 10kg
|
アームの種類
水平垂直アームは、左右に180度ずつ動く1本目のアームと、左右に180度ずつ動き、かつ上下にも動く2本目のアームによって、自在にモニター位置を調整することができます。
水平アームは、垂直に立った支柱を中心に1本のアームが左右に動きます。
垂直アームは、1本のアームが上下に動きます。
水平垂直アーム
|
水平アーム
|
垂直アーム
|
![]() |
![]() |
![]() |
モニター設置数
モニター1画面のみ設置できるものと、2台以上の複数モニターを設置できるものがあります。
1画面
|
マルチ画面
|
![]() |
![]() |
取り付け方法
机への設置方法で4つの方式があります。
ネジ固定式とグロメット式は、机や壁に穴を開けてネジなどで固定します。
クランプ式は、机の板をクランプで挟み込みます。
クランプ式
|
ネジ固定式
|
グロメット式
|
スタンド式
|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
在宅勤務に適したモニター環境をつくるのに最適なモニターアームの選び方
先日2つの記事で、「在宅勤務に適するモニター環境をつくる」ときに注意すべきポイントについて書きました。
間違いだらけのモニター選び: モニターの高さ調整は意外と難しい?
間違いだらけのモニター選び: モニターの適正視聴距離は?
「モニターの高さ」と「モニターの視聴距離」を調整し、「在宅勤務に適するモニター環境をつくる」という観点で、モニターアームの種類を決める各項目についてみていきます。
取り付け方法
「クランプ式」一択です。
モニターの高さや最適視聴距離を調整する上で、どこにどういう形でアームを設置するのが最適かは、実際にアームとモニターを使ってみないとわかりません。ですので、机や壁に穴をあけることが前提の「ねじ固定式」や「グロメット式」を採用することは危険です。また、「スタンド式」は、台座の設置スペース(奥行き)の制限が生じるので、最適な視聴距離を確保しにくくなります。
モニター設置数
「シングルアーム」一択です。
マルチモニターを検討している人もいるかもしれませんが、メインモニターの設置場所や設置方式も決まっていない状態で、マルチモニター対応のアームを購入するのはリスクがあります。
アームの種類
「水平垂直アーム」一択です。
上記と同じ理由で、メインモニターの設置場所や設置方式も決まっていない状態で、「垂直方向」のみ、「水平方向」のみだけ調整可能なアームを選ぶのは、使えないものを購入することになる可能性があり、非常にリスクが高いです。
耐荷重
デスクワークに適したモニターは24インチ以下で重量6kg以下。このサイズと重量であればどのモニターアームでも対応しているため、耐荷重はほぼ気にしなくてよいです。
それ以外の重要な項目
それ以外に1つだけ、最適なモニター環境をつくる上で重要な項目があります。
それは、アームの駆動方式です。
こちらのサイトにかかれていますが、「ガススプリング式に対応しているか?」が重要なポイントになります。
先の2つの記事で書いた通り、最適なモニター環境をつくるには、「モニターの高さ」と「モニターまでの視聴距離」をきめ細かく、数cm単位で調整することが必要です。
そのため、アームが自在に動くこと、望んだ高さと奥行きでピタッと止められることが重要になります。
稼働性
|
固定性
|
|
ガススプリング式
|
◎
|
◎
|
メカスプリング式
|
○
|
○
|
ロックレバー式
|
△
|
△
|
ネジ調整式
|
x
|
○
|
まとめ:在宅勤務に適したモニター環境をつくるのに最適なモニターアームは?
さて、ここまで条件が明確になると、選択肢も限られてきます。
以下にまとめます。
検討項目
|
求められるもの
|
取り付け方法
|
クランプ式
|
モニター設置数
|
シングル
|
アームの種類
|
水平垂直アーム
|
耐荷重
|
(気にしなくてよい)
|
アームの駆動方式
|
ガススプリング式
|
この条件に合致するモニターアームはどれでしょうか?
まず、「24インチ以下」「シングルアーム」「クランプ式」で検索すると、ほぼ以下の2つに絞られます。
(もしくは類似の安価な製品)
|
|
4,998円
|
14,980円
|
![]() |
![]() |
2つの製品の仕様書を比較しても、表現方法の違いはあれどアーム関節の可動域はほぼ同じに見えます。
|
|
![]() |
![]() |
ほとんど違いがないように見えるのに、実売価格で1万円近く値段が違います。
これはなぜでしょうか?
ヒントはグリーンハウスの取扱説明書のこの箇所に書かれています。
![]() |
その違いは、モニターを望んだ場所でピタッと停止できるかどうか です。
グリーハウスの取扱説明書では、「液晶ディスプレイの位置が自然に下がってしまう場合は+方向に、自然に上がってしまう場合にはー方向にネジを回してください。」と書かれています。
これはつまり、アームを上下するだけでは、モニターの位置をピタッと止められず、ネジを緩める・締めるなどの作業をしない限り、望んだ位置で止められない可能性を示しています。
正しい姿勢、最適な視聴距離を決めていくために、数cm単位でモニターを上下左右に移動しなければならないのに、その度にネジ回しの作業が必要になるとすると、かなりのストレスになります。
エルゴトロンでは、マニュアルに ネジで調整するといった記載はありません。
実際使っていてもセンチ単位(場合によってはミリ単位)で 望んだ位置にピタッと止めることができます。
これが約1万円の価値です。
高級モニターアームを安く買う裏技
「5,000円の安いモニターアームは買いたくない。でもエルゴトロンのモニターアームに15,000円近く払うのはちょっとためらう」という方は多いと思います。
実は このエルゴトロン LX デスクマウントアーム(45-241-224)と同等製品を安価に購入する裏技(?)があります。
それは、HP社が提供しているエルゴトロンのOEM製品(BT861AA)を購入することです。
なぜ、エルゴトロンがHPだけに安価なOEM製品の販売を許しているのかは謎ですし、よく入荷が滞って何ヶ月も注文できない状態になっていることがありますが、販売しているのを見つけたら 即買い をおすすめします。
色は、本家のエルゴトロンが白・黒・シルバーと3色から選べるのに対して、HPのOEM製品BT861AAはマットブラックのみです。
私は両方持っていますが、HPのつや消しブラックのほうが 落ち着いていて好みです。
2022/5/3現在 HPダイレクトで 税込 10,780円、Amazonで10,980円で販売されておりました。
注)2023/3/2現在では、Amazonで、11,189円に値上げされておりました。HPダイレクトでは販売されておりませんでした。
HPダイレクト |
![]() |
Amazon |