Macユーザーの悩みの1つに、「キーボードの選択肢がWindowsパソコンほどない」というのがあります。最近では、東プレなどからMac専用キーボードがではじめましたが、それでも全体でみればWindowsPCに比べると依然選択肢は少ない。ゆえに価格も高くなりがちです。
本記事では、MacでWindowsキーボードを利用できるようにするソフトウェア Karabinar-Elementsの活用法を紹介します。
私が抱えていたキーボード問題
Karabinar-Elementsとは?
私のKarabinar-Elements設定法
1.Mac でWindowsキーボードを使えるようにする
2.異なるキー配列の2つのMacで操作性を揃える
私が抱えていたキーボード問題
私はキーボードに関して2つの問題を抱えていました。
1つは、「Macbookで、比較的安価なWindowsの高級キーボードを使いたい」というMacユーザー共通の悩み、もう一つは、「仕事と個人のMacbookで異なるキー配列を同じ操作性に揃えたい」というものです。
1.Macbookで、比較的安価なWindowsの高級キーボードを使いたい。
以下のこちらの記事に書いたとおり、Macユーザーのキーボード事情は、Windowsパソコンのそれに比べて依然見劣りがします。
Macキーボード選びに困ったら読むべし【2022年3月】Mac用キーボード最新情報
仕事柄、タイピングの量が半端ないので、仕事を終えたあと手が疲れたり、ひどいときには指の関節が痛くなったりします。
東プレからMac専用キーボードが販売されていますが、2万円台となかなかの値段です。
それに対して、FILCOのWindows向け高級キーボードは、1万円台前半から購入できます。
なんとかこの高級キーボードを手に入れ、使いたい!と思っていました。
2.仕事と個人のMacbookで異なるキー配列を同じ操作性に揃えたい。
それに加えて私の場合は、もう一つ解決したい問題がありました。
それは、会社で支給されたMacbookと個人で持っていたMacbookでキー配列が異なるという点です。外資系企業なので会社のMacbookはUS配列、個人用のMacbookはあいにく日本語JIS配列です。
実は、このキー配列の違いが、Mac利用上、大きなストレスになっていたのです。
US配列
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日本語JIS配列
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US配列とJIS配列では、装飾キーについて大きく以下の点が異なっています。
・CommandキーとOptionキーの位置が1キー分ずれている。
・Controlキーの位置が全く異なる。
・US配列の左下にはFunctionキー、JIS配列では Capsロックキー
私は生産性を上げるためにキーボードショートカットを多用します。
Mac初心者におすすめ あなたの生産性を劇的に向上させる厳選ショートカット10
そのためCommand, Ctrl, Optionといった装飾キーを多用します。
しかし、Macを会社用と自宅用で切り替えるたびに、Command, Ctrl, Optionキーを探すのにもたついてしまいます。これにより、生産性がさがりかなりストレスを感じていたのです。
実は、装飾キーの入れ替えだけでしたら、Macの「システム環境設定」–> 「キーボード」で対応ができます。
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しかし、ここで会社用Macの装飾キーを入れ替えてしまうと、外付けキーボードをつないだときに、キーマッピングがかなりややこしい話になってしまいます。ですので、できればこの方法は避けたいのです。
まとめると、私が解決したいMacキーボード問題は2点あり、
1.Macbookで、比較的安価なWindowsの高級キーボードを使いたい。
2.仕事と個人のMacbookで異なるキー配列を同じ操作性に直したい。
これらを同時に、できるだけ簡単に解決しなければならなかったのです。
Karabinar-Elementsとは?
これらの問題を一挙に解決してくれたのが、「Karabinar Elements」というフリーウェアです。
macOS 用のキーボードカスタマイズツールであり、こちらのサイトからダウンロードできます。
最新MacOS Big Surにも、Apple Silicon(M1)チップにも対応しています。
どのように このソフトを活用したのかご紹介します。
Macキーボードの悩みを一挙解決〜Karabinar-Elementsの活用法
私が解決したい問題は以下の2つでした。
1.Mac でWindowsキーボードを使えるようにする
2.異なるキー配列の2つのMacで操作性を揃える
それぞれどのように設定したのか、順番に見ていきましょう。
1.MacでWindowsキーボードを使えるようにする
個人利用のJIS配列のMacbookにWindowsキーボードを接続し、Mac JIS配列と同じ操作性に設定します。
MacにWindowsキーボードを接続したときには、Windowsキーが MacのCommandキーに、AltキーがMacのOptionキーとして認識されます。Control、Tab、Shiftキーなどはそのまま同じです。
Windowsキーボード
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Mac内部のキー認識
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WIndowsキー
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Commandキー
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Altキー
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Optionキー
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そのままのキーの位置でよければ、この状態で使うことができます。
今回はキー配列をMacのJIS配列に揃えるというのがゴールです。
このときに、MacOSがもつ「装飾キーの入れ替え」機能でもやれないことはありません。
しかし、この機能を使ってしまうと、キーボードを外したときに、MacbookのNativeキーボードがおかしな設定になってしまいます。
この場合は、Karabinar-Elementsのキーマッピング機能が役立ちます。
Karabinarでは、複数のプロファイルを設定しておけば、1クリックで簡単に切り替えることができます。
<Karabinar-Elementsにおけるキーマッピングの切り替え方法>
Macのメニューバーから、このアイコンをクリックし
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あらかじめ設定しておいた”Profiles”の中から、使いたいものを選ぶだけ
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Karabinar-Elementsのインストール後の設定は比較的簡単で、大きく2ステップにわかれます。
1.Profileの作成
2.Simple modificationで、キーマッピングの設定
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はじめにWindowsキーボード用のプロファイルを作成します。
Karabinar-Elementsを起動したあと、Preferenceで「Profiles」タブをクリックします。
左下の「Add profile」をクリックします。
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プロファイルの名前を入力します。
ここでは「FILCO keyboard」と入力します。
そのあと、タブの一番左にある「Simple Modifications」をクリックし、個別キーのマッピング設定に移ります。
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左下の「Add Item」をクリックし、キーマッピングを1つづつ足していきます。
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「From key」の下に表示されている空のメニューをクリックし、キーボード上のどのキー(=Macが内部で認識しているキー)を変更したいか選びます。ここでは「caps lock」を選択します。
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次に、Macのどのキーを割り当てるか選択します。
現時点では、キーボード上の「Caps Lock」キーは、Mac内部でも「Caps Lock」と認識されていますので、これを左の「Control」キーとして認識するよう、「left_control」を選択します。
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以下同様に、Left_command、left_option、Left_controlのそれぞれに割り当てたいキーを設定していきます。
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2.異なるキー配列のMacで操作性を揃える(装飾キーの入れ替え)
会社用のMacのUS配列を、自宅のMacの日本語JISに揃えます。
具体的には、装飾キーの入れ替えです。
MacOS自体がもつ機能でも、装飾キーの変更はできますが、これをやってしまうと、上記で設定したWindowsキーボードとの接続のときにマッピングがおかしくなってしまいます。
よって、ワンクリックで変更ができるKarabinar-Elementsの機能で代用するようにします。
US配列とJIS配列の違いは以下のようなものでした。
・CommandキーとOptionキーの位置が1キー分ずれている。
・Controlキーの位置が全く異なる。
・US配列の左下にはFunctionキー、JIS配列では Capsロックキー
US配列をJIS配列に揃えるには、以下のようなキーマッピングが必要となります。
US配列
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JIS配列
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Caps Lock
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Control
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Function
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Caps Lock
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Control
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Option
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Option
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Command
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Command
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(そのまま)
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JIS配列の「英数」のところは、US配列では「Command」が割り当てられていますが、「英数」キー自体つかっていなかったのと、「Command」キーがこの位置にあっても問題ないので、そのまま放置しておきます。
設定手順は以下の通りです。
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「Profile」タブをクリックし、Macの内部キーボードのProfileである「Default profile」を選択します。
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「Simple modifications」タブをクリックし、1つづつキーマッピングを追加していきます。
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これで、Macbook固有のキーボード配列を 1クリックで日本語JIS配列に変更することができます。
もとに戻したい場合には、Karabinar-Elementsを終了すればよいのです。
US配列のMacbookに、Windowキーボードを接続したときの設定は、上記の「1.MacでWindowsキーボードを使えるようにする」と同じですので割愛します。
これで、会社のMacでも、個人のMacでも、外付けキーボードを使っても、キー配列が統一できました。装飾キーを探してまごまごしなくても、手元見ないでほとんどの作業ができるので快適です。
生産性が劇的に向上しました。