作業効率大幅アップ!字幕制作を楽にする、動画編集ソフトの選び方

テックSOS

仕事柄、海外の英語ビデオの字幕作成に関わることがあります。専門の代理店に頼めば楽ですがお金がかかります。予算がないときは自分でやらなければなりません。そんなとき、字幕編集作業を楽にしてくれる動画編集ソフトの選び方を紹介します。

字幕とテロップとの違い
翻訳字幕作成作業の流れ
翻訳字幕作成ソフトに求める要件

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字幕とテロップとの違い

「字幕」と「テロップ」の違いがわからないという人もいると思います。今回取り上げる「字幕」とは、外国語の映像の下に、短く入ってくる単純な翻訳テキスト文を指します。

テレビ業界で盛んに使われる 派手な装飾が施された「テロップ」については、この記事では触れません。

字幕(Subtitle, Caption) テロップ(Terop, Ticker)

出典:Adobe  テロップとは?作り方・動画への効果的な入れ方を解説

「字幕」と「テロップ」の違いについては、こちらの記事に由来も含めて詳細に書かれていますので、気になる方は読んでみてください。

「テロップ」の意味とは?「字幕」との違いや類語・作り方のコツも

翻訳字幕作成作業の流れ

英語の動画に字幕を付ける作業はおおきく以下の5工程に分かれます。

1.テキスト抽出

翻訳用には、タイムスタンプの入っていない、プレーンなテキスト文章が必要となります。

英語のYouTubeの動画については、英語の字幕をテキスト形式でダウンロードすることができます。

また、以下のようなサービスを使うとそのままテキスト形式、SRT形式でダウンロードできます。

YOUTUBE動画の字幕をダウンロードするCGI

ただし、このテキストには、 “,”(カンマ)や “.”(ピリオド)といった文章の句切れは入っていませんし、行頭も大文字になっていません。自分で確認しながら適時修正し、文章に直す必要があります。

in this video we’ll go over how to apply
deep learning on your daily tasks
In this video, we’ll go over how to apply deep learning on your daily tasks.

 

2.タイムスタンプ付き英語字幕抽出

動画に字幕をつけるときには、タイムスタンプ(字幕を表示するタイミング)の入った字幕の文字を記入した「SRTファイル」というものが必要となります。

SRTファイルのサンプル

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00:00:00,240 –> 00:00:05,359
in this video we’ll go over how to apply
2
00:00:02,879 –> 00:00:07,759
deep learning on your daily tasks

英語のYouTubeの動画については、自分がアップロードした動画であれば、時間をおけば自動的に英語字幕が作成されます。

そのあとタイムスタンプが入った英語の字幕SRTファイルを、以下の手順でダウンロードすることができます。

YouTube Studioで左ナビから「字幕」を選択
「動画の字幕」から右端の「・・・」マークをクリック。
「ダウンロード」
表示されるファイル形式から”.srt”を選択。

SRTファイルは、メモ帳やテキストエディターで開けます。

3.翻訳

Google翻訳含めて、無料のオンライン翻訳サービスがいろいろと提供されています。

Google翻訳の品質も、以前に比べると格段に良くなりました。

しかし、無料でできる翻訳サービスとしては、DeepLが最も高品質のように思います。

無料版では、以下のような制約がありますが、動画の字幕翻訳をテキストベースで行うには十分です。

    • 最大5,000文字の翻訳
    • 1か月に3ファイルまで翻訳(編集不可)
    • 最大10個の用語ペア

4.タイムスタンプ付き日本語字幕作成

#2で入手したタイムスタンプ付き英語字幕に、日本語を入れていきます。

このタイミングでは、セリフの音声の冒頭と、字幕の文章が表示されはじめるタイミングが合うようにしておきます。

日本語の長さや、会話の切れ目については、次のステップで調整します。

SRTファイルのサンプル

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00:00:00,240 –> 00:00:05,359
このビデオでは、日々の業務にディープライニングをどう適用するかについて説明します。
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00:00:02,879 –> 00:00:07,759

5.意訳・タイミング調整

音声の切れ目と、字幕を読むのにかかる時間とを考慮しながら、読みやすい長さに字幕を調整します。

SRTファイルのサンプル

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00:00:00,240 –> 00:00:05,359
このビデオでは、日々の業務に
ディープライニングを
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00:00:02,879 –> 00:00:07,759
どう適用するかについて説明します。

これらを一通りこなすと完成です。

翻訳字幕作成ソフトに求める要件

実は、字幕編集作業については、ある程度はYouTube内で行うことができます。

しかし、快適に作業をする上で、YouTubeでは 2点ほど問題があります。

問題1:YouTubeのタイムスタンプ付き字幕は タイミングが細切れで使いづらい

下記のようにYouTubeが作成する字幕ファイルは、文の切れ目に法則性がありません。息継ぎをしたところで切れているわけでもなく、文章の コンマ、ピリオドで タイムスタンプを改行しているわけではありません。

日本語訳を当てはめていくときに、このタイミング調整作業が非常に面倒です。

YouTubeが作成するSRTファイルのサンプル

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00:00:00,240 –> 00:00:05,359
in this video we’ll go over how to apply
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00:00:02,879 –> 00:00:07,759
deep learning on your daily tasks

問題2:YouTubeの編集機能は、タイミング調整がやりづらい。

ぶつ切れになったタイムスタンプをつなげて、読みやすい長さに調整するとともに、文章は適切なタイミングで切れ目をいれる作業が必要となります。YouTubeでは、この「文章どうしをつなげる」「適切なタイミングで切れ目をいれる」という作業が非常に面倒です。

以上の作業工程と問題点を整理すると以下のようになります。

テキスト抽出
YouTube /CGI
タイムスタンプ付き英語字幕抽出
YouTube???
翻訳
DeepL
タイムスタンプ付き日本語字幕作成
YouTube???
意訳・タイミング調整
YouTube???

このYouTubeでやりづらい「適切なタイムスタンプがついた英語字幕作成」「意訳にあわせた字幕の長さ、タイミング調整」がやりやすいソフトがあると、作業が非常にはかどります。

そのようなツールがあるのかどうか、次の記事で調べてみます。