鵜呑みにできない「光回線が遅いときの対策」 本当に見るべきポイントは?

光回線の速度改善 光回線の極意

家のインターネット回線が遅いとき、「ネットに書かれている対策を取ったのに速度がちっとも変わらない」。そんな経験はないでしょうか。あるいは「光回線を引いたのに通信速度が遅い」という話もよく聞きます。その原因は 的外れなところを調べたり、本質的でない対策をとっているからです。 光回線の通信速度を速くできる真の対策について説明します。

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通信回線が遅い時  よくある見当違いな対策

先日行きつけの美容師さんから 「戸建てに引っ越したのでNURO光に変えました」と聞きました。「速度が速くなって快適でしょう」と私がいうと、「マンションのときと変わらない、動画みていると時々砂時計マークがでて固まる」と聞いてビックリです。

動画で砂時計マークがでるということは、通信速度はおそらく 20Mbpsを下回っている可能性が高いです。戸建てでNURO光を引いているのであれば、マンションのように1本の回線を複数住戸で共有しているわけではないので、通信速度600-800 Mbpsはでるはずです。

「サポートセンターに連絡したり、ネットで調べたりしました?」と聞くと「面倒くさいのでやっていない」とのこと。

せっかく高速インターネット回線を引いているのに、 そのメリットを受けられないのはもったいないことです。

ただし、サポートセンターに連絡したり、ネットで調べても、的はずれなアドバイスに遭遇することが多いのも事実です。例えば以下のようなものです。

1 PC(パソコン)本体の性能を上げる

 

PC(パソコン)のモデルが古く光回線の通信速度を存分に活かしきれない場合は、PC本体の性能を上げましょう。
2 接続機器の性能を上げる モデムやルーター・LANケーブルなどの接続機器を見直し、新しい機種・モデルに買い替えて性能を上げましょう。
3 接続している端末数を減らす 使用していない端末は接続を切り、同時接続する端末数を減らしましょう。
4 接続方法を変更する 同時接続する端末数や周辺の接続機器が原因でない場合は、接続方法の変更を試してみましょう。(無線有線)

 

5 ルーターの設置場所を変更する Wi-Fiルーターの設置場所を変更することで、大きく通信速度が改善する可能性があります。
6 Wi-Fi接続先を切り替える 規格が「a(5.0GHz)」と「g(2.4GHz)」の2種類あるWi-Fiルーターなら、状況に応じて接続先を切り替えることで速度を改善できる可能性があります。
7 他社のプロバイダーサービスに乗り換える 通信速度が遅い理由が通信回線そのものにある場合は、利用する時間帯を変えるか、他社のプロバイダーサービスへの乗り換えも検討しましょう。

 

出典:光回線の速度が遅い……を解決!速度が遅い理由と7つの改善方法

これらの対策は、通信速度の根本的な改善には ほとんど役立たないことがほとんどです。

例えば、「(1)PC(パソコン)本体の性能を上げる」とありますが、 十年以上前のパソコンでも使っていない限り パソコンの性能が通信速度に影響を与えることはまずありません。 パソコンが古くて通信速度に影響がでるくらいであれば、そもそもOSの遅さで事実上パソコンが使えないと思います。

また「(3)接続している端末数を減らす」 については、 これからいろんな機器を利用したいと思って通信回線をアップグレードしたという目的と逆行しています。

(4)接続方法を変更する」では、無線から有線LANへの変更をあげていますが、有線LANポートがないスマホやタブレット、ノートパソコンがほとんどなのに、普段使いで有線LANをつかうことはありえません。

(5)ルーターの設置場所を変更する」とか「(6)Wi-Fi接続先を切り替える」も、対策としては的外れで、根本的な解決にはなりません。

最後の「(7)他社のプロバイダーサービスに乗り換える」 に至っては 「これがこの記事の真の目的だったのか」とがっかりさせられます。

こうした「通信速度の改善」をテーマにした記事には、プロバイダーや通信回線の乗り換えを促すことを目的にした記事が多いので注意が必要です。

まずは家のネット回線の仕組みを理解しよう

このように あまり意味のない対策に 無駄な時間を取られないよう、利用者側もある程度知識を持っておくことは大切です。

光回線を自宅に引く場合、通常2つの機器が送られてきます。(「NTTフレッツ」や「auひかり」の場合)

1つは、「ONU(回線終端装置)」とよばれ、光ファイバーを通ってきたデータを、コンピュータが理解できる通信に変える役割です。

もう一つは「ホームゲートウェイ」あるいは「ルーター」と呼ばれる機器です。これはONUにLANケーブルで接続され、家の中のパソコンやスマホに向けてWi-Fi通信を飛ばします。

NTTフレッツ光の場合

NURO光の場合は特別で、ONUとルーターが一体となった機器が1台だけ送られてきます。

NURO光の場合

基本的にはこれらの機器のセットアップでは、回線工事を行う工事担当者がWi-Fi接続確認までしていきます。(通信速度が速いか遅いかは別にして)一応、Wi-Fi通信がつながる状態にはなるのです。

問題は、工事担当者が帰ったあと、いざパソコンやスマホでWi-Fiネットワークにつなぎ、本格的に利用しはじめたときに起こります。

期待していたより速度が遅い」、「複数の機器で接続すると通信が不安定」、「特定アプリを利用すると通信が途切れる」といった症状が出ても、通信とかパソコンに詳しくない人にはどうしてよいかわからない というのが実情でしょう。

「せっかくお金を払って乗り換えたのになんだ」と怒りたくなる気持ちもよくわかります。

実は、この問題はある方法をとることで劇的に改善します。

「その方法がほぼ確実に効く」と判定するための、1つの診断方法を紹介します。

問題の切り分け方:準備

先に結論からいってしまうと、 Wi-Fi通信に関するトラブルは、プロバイダーや回線事業者(NTTやNURO光)から提供されるホームゲートウエイ(Wi-Fiルーター) に問題があることが多いのです。

ただ、こいつが原因だと決めつけ、対策を先走る前に、念のために試したほうがよい問題切り分け法があります。もっとも簡単な方法は、「有線LANで接続して速度がでるか?」を調べることです。

LANポートをもっているパソコンとLANケーブルを用意します。

パソコンにLANポートがない場合には、 USBからイーサネット(LANポート)に変換するアダプターを用意します。

USB-Aからイーサネットへの変換アダプター

USB-Cからイーサネットへの変換アダプター

有線LANアダプターは検査で利用するだけなので、高価な商品を購入する必要はありません。パソコンにつなぐ側は、幅広のUSB-Aでも細い USB-Cでも構いません。1,000-2,000円で済むはずです。ただ、メルカリ等で中古品を購入する場合には1Gbps以上のアダプターであるかを確認してください。1 Gbps(=1,000 Mbps)に近い回線速度をテストするので、古い100 Mbpsのアダプターを購入しても通信速度が遅くなり、テストになりません。

また、接続するLANケーブルも、できるだけ新しいものを用意ください。通信回線やパソコン周辺機器を買い替えていく中で、いつどこで手に入れたかわからない古いLANケーブルを無意識に流用してしまうこともあると思います。1G bps以上の回線をテストするので、最低でもカテゴリ5e以上のLANケーブルを用意ください。

最大通信速度
カテゴリ 5 100M bps
カテゴリ 5e, カテゴリ6 1G bps  ←これより上のカテゴリーが必要
カテゴリ 6A, 7, 7A 10G bps
カテゴリ 8 40G bps

出典:LANケーブルの「カテゴリ」見分け方(サンワサプライ)

いま、家電量販店等で出回っているのは、カテゴリ6Aか カテゴリ7が主流と思います。カテゴリが高くなれば値段もあがります。テストだけですので、カテゴリ6Aの長さ50cm-1mのケーブルがあれば十分でしょう。500円前後と思います。

問題の切り分け方:テスト手順

さて、道具がそろったら、 原因究明・問題の切りわけを行ないます。

テスト方法は簡単です。 プロバイダーから提供されているホームゲートウエイ のinternetポートに LANケーブルを接続し パソコンのLANポートに繋ぎます。

図にすると以下のような形です。

パソコンを有線LANで接続

有線LANの速度を正確に測定したいため、パソコンのWi-Fi接続はOFFにしておきます。

この状態で一般的な速度テストを行ないます。速度測定は、Googleの「インターネット速度テスト」や「みんなの速度測定サイト」、「speedtest.net」などを使うとよいでしょう。

このテストで、Wi-Fi通信よりも明らかに高速であれば、家の中までのデータ通信はきちんとできていることがわかります。戸建てで 「NURO光 2ギガ」や「フレッツ光クロス (10ギガ)」を利用していれば、有線LAN接続で、600-700M bpsは優に叩き出すのではないでしょうか。

我が家は最近 SoftBank光 10ギガに乗り換えましたが、有線LAN接続で 900M bpsを超える通信速度が出ています。

テスト環境:

プロバイダー:SoftBank光 10ギガ(光回線は NTTフレッツ光クロス)
ホームゲートウェイ:  XG-100NE
クライアント機器: Mac mini M2 Pro
XG-100NEのLANポート(10ギガ)とMac miniのLANポート(1ギガ)をカテゴリ6Aケーブルで接続
Googleインターネット速度テストで測定

もし有線LAN接続で通信速度が劇的に速く、Wi-Fi接続で通信が極端に遅い場合には、原因はプロバイダーから提供されている「ホームゲートウエイ(Wi-Fiルーター)」でほぼ確定です。この場合の対策は比較的簡単です。(多少費用がかかります)

もし有線LAN接続でも通信速度が遅い場合には、プロバイダーや光回線側に問題がある可能性が高いです。この場合には、自宅の中で個人では対応できないので、プロバイダーや光回線提供者のサポート窓口に連絡をしてください。

次の記事で 問題がホームゲートウエイの場合に、Wi-Fi通信速度を劇的に改善する方法を紹介します。