MacBookを最短でデータ移行する方法:移行アシスタントとTime Machine利用時の注意点

Mac活用

Macbookを買い替えたときのデータ移行。macOSでは「移行アシスタント」というツールが用意されていますが、古いMacBookからデータをそのまま移行しようとすると膨大な時間がかかることがあります。MacOSに付属のツール「Time Machine」と「移行アシスタント」を使い、MacBookのデータ移行を最短で行うコツについてまとめました。

移行ツールを使うか、1からインストールするか?
移行アシスタントへの全面依存は要注意
Macbookデータ移行:残された方法は?
バックアップを行うためのソフトと機材は?
Macbookデータ移行:時短のコツは?
実際にかかった時間は?

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移行ツールを使うか、1からインストールするか?

今のMacBook Air early 2015も利用しはじめて5年半。

自分でインストールしたアプリも24個にも及びます。

使わなくなっているものもありますし、これらを整理しながらMacbookをセットアップしていくのも楽しい作業です。

しかし、これらを最初からインストールしてセットアップし終わるにはかなりの時間(場合によっては2,3日)を要します。

今回は、古いMacbookを急ぎ人に譲らなければならないこと、新しいMacBookを1日で使えるようにしなければならない事情があり、移行ツールを使ってデータ移行しつつ、最低限のセットアップを最短で終わらせるようにしました。

移行アシスタントへの全面依存は要注意

MacBookを移行するために、Appleでは、「移行アシスタント」というツールを用意しています。

Apple公式ページ(新しい Mac にコンテンツを移動する)には、

「移行アシスタントを使って、書類、App、ユーザアカウント、および設定情報をすべて別のコンピュータから新しい Mac にコピーできます。」

とあります。

しかし、移行元と移行先のMacBookの間に大きな性能差がある場合には、これを鵜呑みにして作業を始めるのは要注意です。私は、

「双方のコンピュータに macOS Sierra 以降が搭載されている場合は、両者を近付けて、Wi-Fi を有効にしておきます。」

という説明をもとに、Wi-Fiで直接MacBook Air (early 2015)からMacBook Air M1 2020へデータ移行をしようとしました。

Peer-to-Peerのワイヤレス通信によるデータ移行です。

Peer-to-Peerのワイヤレス通信によるデータ移行

Peer-to-Peerのワイヤレス通信によるデータ移行

しかし、開始から5時間経過しても 移行先PCでも移行元PCでも「情報を転送中」という画面が表示されたまま。

データ移行がうまくいっているのか、いないのか、進捗がまったくわかりません。

改めてネットで調べてみると、移行アシスタントで完全移行を行おうとすると「20時間かかった」「50時間かかった」という記録が見られます。

たしかにAppleの公式ページにも「転送量が多いと、終わるまで数時間かかる場合があります。」とは書いてあります。

しかし たった100GB程度のデータでこの状態では、あと何時間かかるのかまったく先が読めません。

時間に余裕がある人は、気長に待ってみるのもありです。

しかし、私の場合は、新しいPCを急ぎセットアップしなければならなかったので、この方法は断念しました。

2022.7.19 追記:
MacBook Air M1から、MacBook Air M2へのデータ移行(約80 GB)は、Wi-Fi 6経由、「移行アシスタント」のみで30分程度で終了しました。Macのマシン性能が高く、Wi-Fi通信速度が速い場合には、移行アシスタントは正しく機能するようです。詳細についてはこちらを参照ください。
MacBook Airのデータ移行:移行アシスタントで時間がかかる、進まない時の対処法

 

Macbookデータ移行:残された方法は?

こちらの記事(一般的なデータ移行 4つの方法)でも書きましたが、ネットワーク経由の直接接続(Peer-to-Peer)が難しいとなると、残るは以下の3つの方法しかありません。

2.直接接続ー有線接続

「直接接続ー有線接続」方式はマシン同士を直接ケーブルでつないでデータ移行をする方法です。

ネット上で手順が書かれた実績レポートを見つけられなかったため断念しました。

有線ケーブルでの直接接続

有線ケーブルでの直接接続

3.バックアップ方式ーワイヤレス接続

バックアップ方式ーワイヤレス接続」は、iCloudやDropboxなどのクラウドストレージをつかって、バックアップ・リストアを行う方法です。

大容量保存ができる有料のクラウドストレージを契約していなかったのと、Wi-Fiではデータ転送速度が遅くなるので見送りました。

クラウドストレージ経由のバックアップ・リストア

クラウドストレージ経由のバックアップ・リストア

4.バックアップ方式ー有線接続

そうなると、残った方法は、外部ストレージに有線接続でバックアップをとって、リストアする方法

バックアップ方式ー有線接続」となります。私の場合は、手元に1GBの外付けSSDドライブがあったので、こちらを使うことにしました。

外部ストレージへのバックアップ&リストア

外部ストレージへのバックアップ&リストア

バックアップを行うためのソフトと機材は?

バックアップ方式ー有線接続」を行う上で、まず検討しなければならないのは、バックアップを取るのにどのソフトを使うかです。

バックアップには、ディスクイメージまるごと取得する「イメージバックアップ」と、個別のファイルを把握しながらデータを保存する「ファイルバックアップ」があります。

たとえば、Acronis Cyber Protect Home Office (旧称 Acronis True Image)のような有償ソフトをつかえば、イメージバックアップができますが、年間5,000円以上かかり、一回だけのデータ移行のためにはちょっともったいない気がします。

今回は、無料で使えるmacOSの標準バックアップソフト 「Time Machine」を使うことにしました。

バックアップデータの保存には、機材選びも重要です。
今回はUSB3.2対応の外付けSSD(
バッファロー SSD-PG1.0U3-B/NL)を利用しました。
SSDは、HDDよりもデータのコピー速度が高速なので、移行に要する時間を短縮することができます。

また本機種は、大きさ10cm程度、厚み1cm以下、重さ100gと軽量でかさばらず、持ち運び可能なので重宝します。

バッファロー
SSD-PG1.0U3-B/NL
(特定販売店向け:販売終了)
データ容量
1 TB
インターフェース
USB 3.2(Gen 1)
本体寸法(幅×高さ×奥行)
75×11.5×117mm
本体質量
約100g(ケーブル含まず)

既にメーカーでは販売終了ですが、まだAmazonでは割安な値段で販売されているようです。

バッファロー BUFFALO USB3.1Gen1 ポータブルSSD 1TB (9,480円, 2024/2/23現在)

また、MacBookの容量別、おすすめ外付けストレージについて以下で調べています。

参考記事)Macbookのデータ移行に備える!外付け記憶装置のオススメは?

Macbookデータ移行:時短のコツは?

Time Machineを使うにしても、すべてのデータをバックアップし、それを移行アシスタント+Time Machineでリストアすると、先ほどの例のように大幅な時間を要しそうです。

私の場合、独自にインストールした24個のアプリケーションさえ稼働すれば、ユーザーデータの移行はなんとでもなります。

したがって、

・アプリケーションとシステムの設定だけツールで移行

・その他のデータは、外付けディスクを経由したファイルの単純コピー(バックアップ&リストア)

とすることにしました。

ただし、この方法には以下の注意点があります。

・一部、移行できないアプリケーションがある (WineskinserverなどApp Storeを経由しないでインストールされたもの)
・アプリケーションの設定まで100%移行できるわけではない(ログイン情報の再設定が必要なアプリがある)

実際の手順についてみてみましょう。

移行元、移行先のマシン環境については、こちらに記載しました。

1.Time Machineでバックアップを取得する
2.移行アシスタントでデータをリストアする
3.アプリの動作確認と設定

1.Time Machineでバックアップを取得する

Time Machineでバックアップを取得するときに、外付けストレージ(SSDやHDD)の初期化、パーティション作成が必要な場合があります。そのときは、こちらの記事を参考にしてください。

参考記事)MacBookのデータ移行でつまづかない:ディスクユーティリティとTime Machineの使い方

Time Machineでのバックアップですが、そのまま実行してしまうと、すべてのデータが対象になってしまいます。

設定でツールによる移行対象となるデータをできるだけ制限します。

Time Machineによるデータのバックアップ先に、外部ストレージを選択したあと、右下の「オプション」をクリックします。
「バックアップ対象から除外する項目」というウィンドウが開きますので、左下の「+」ボタンを押し、除外するフォルダーを追加していきます。私の場合は写真データを保存していた「書類」とインストールしたアプリのインストーラーが多数はいった「ダウンロード」を除外しました。

100GBのデータで約2時間で終了しました。

事前にバックアップを取得していれば、新しいMacbookが届いたときにすぐに移行を開始できるので、更に時短が可能となります。

2.移行アシスタントでデータをリストアする

macOSの「移行アシスタント」を使い、Time Machineで取得したバックアップデータをもとにリストアします。

公式な手順はこちらに書かれています。(バックアップから Mac を復元する

実は、この段階で、バックアップデータのOSと、移行先MacのOSのバージョンが一致していないと、移行先MacでOSのバージョンアップが始まります。30分くらいで終了しますが、あらかじめ移行元・移行先のOSのバージョンは最新のものに揃えておいたほうがよいでしょう。

ここでの時短のポイントは、「リストアする対象を制限する」というところです。

LaunchPadのアプリ一覧から「その他」をクリックし、移行アシスタントを起動します。
一番上の「Mac、Time Machineバックアップ、または起動ディスクから」を選択します。
移行可能なデータの選択肢が表示されますのでアイコンをクリックします。
「転送する情報を選択」の画面で、移行するデータを制限します。
私の場合は、「アプリケーション」と「システムとネットワーク」だけ選択しました。

この「リストア対象を制限した」効果かどうかはわかりませんが、リストアは30分程度で終了しました。

3.アプリの動作確認と設定

リストア終了後はアプリケーションの動作確認です。

ほとんどのアプリが移行されていましたが、App Storeでインストールされていない特殊なアプリは含まれていませんでした。

具体的には、wineskinserverです。

Karabiner-Elementsも アプリはインストールはされていましたが、再設定が必要でした。

Microsoft OfficeやGoogle Chromeなどその他のアプリは、ログイン設定程度で正常に起動しました。

一連の確認作業で 30分程度を要しました。

ここまでくれば、一応新しいMacbookは利用できるようになります。

あとは、時間に余裕があるときに、以下の残りの2手順を行えば移行完了です。

4.ユーザーデータの移行(手動コピー)

5.移行できなかったアプリのインストールと設定(Wineskinserver)

実際にかかった時間は?

実際にかかった時間を整理すると以下のようになります。

作業内容
所要時間
1
Time Machineによるバックアップ(100GB程度)
120分
2
新しいMacbookにおけるmacOSのアップデート
30分
3
移行アシスタントによる Time Machineバックアップからのリストア
30分
4
移行後のアプリの動作確認・追加設定
30分〜60分
5
ユーザーデータのコピー
(データ量と利用する外部ディスクに依存)
6
移行できなかったアプリのインストールと設定(Wineskinserver)

Time Machineによるバックアップを事前に取得しておけば、新しいMacbookが到着してから2時間程度で、#2〜#4までの手順を完了でき、ある程度Macbookが利用できるようになります。

まとめると、Macbookデータ移行における時短のコツは

・事前にTime Machineによるバックアップを取得しておく
・移行アシスタントに完璧をもとめない。
・全てを移行アシスタントに頼らない。
・できる設定は自分でやる

となります。

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