ビデオ会議をクリアな音声で行いたい 意外と難しい高性能PC用スタンドマイクの選び方

簡単パソコン選び

在宅勤務も選択肢として当たり前になった今日この頃。コロナ禍中に整備した仕事用のコンピューター環境も見直す必要がでてきました。リモート会議を快適に行える高性能のPC用スタンドマイクを選んでみました。

時代はリモートワーク 2.0:Mac miniにスタンドマイクを使いたい
PC用スタンドマイク選びで重視したポイントは?
意外と難しかったスタンドマイクの選び方
価格帯別に整理すると
今回選んだスタンドマイクは?

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時代はリモートワーク 2.0:Mac miniにスタンドマイクを使いたい

これまでは、会社で支給されたノートパソコンを、自宅でモニターに接続して仕事をしていました。ビデオ会議での音声入力は、パソコンがもっているマイクを利用していました。

しかし、仕事で使うソフトウェアや、サービス、ファイルの置き場所がネットワーク経由になったときに、会社支給のパソコンに縛られる必要も薄れてきました。

こうなると、会社が用意したパソコンよりも、むしろ自宅のMac miniで構築した環境のほうが快適に仕事ができるという状態となります。

その結果、私の自宅の仕事 兼 プライベートのPC環境はMac miniを中心に以下のようになりました。

そんな中、どうしても気になるのが、マイク付きイヤホンで行うビデオ会議。

Webカメラ Logicool C922nは、カメラ性能は良いのですが、音声品質は今ひとつ。ビデオ会議において音声入力装置としては 力不足です。

Logicool C922n Webカメラ Audio-Technica ATH-CKS550XiS

仕方ないので、音声だけはAudio-Technicaのマイク付きイヤホン ATH-CKS550XISを利用しているのですが、耳をイヤホンで塞ぎながらマイクで人と話すというやり方にどうも慣れません。

また、会社からヘッドセットを支給されましたが、そちらも使いたくありません。

とにかく何も身に着けないで状態で自然に会話したい。

というわけで、今更ながらPC用のスタンドマイクを探すこととなりました。

PC用スタンドマイク選びで重視したポイントは?

今回のPC用スタンドマイク選びで重視したポイントは大きく3点です。

1.マイク性能
2.コンパクトさ
3.適正な価格

1.マイク性能

リモートワークでは、画質や音声が悪い相手と会議をすると、リアルな人と仕事をしている感が薄れてあまりよろしくありません。

当初は、マイクにあまりお金をかけたくないと思っていたので、サンワサプライ  HS-MC07BKを購入し、試してみました。しかし何も話していないときのノイズ(ホワイトノイズ)が気になり、利用を断念した経緯があります。

サンワサプライ HSーMC07BK

価格は1,000円程度と非常に手頃だが、マイク性能は値段相応。音声入力レベルも低く、マイクをかなり口に近づけないと音を拾えない。またホワイトノイズ(無音時の雑音)もある。

自然な会話の音声を手に入れることが目的なので、指向性(カーディオイド)マイクでノイズの入りにくい、クリアな音質のマイクを探すことにします。

2.コンパクトさ

机の上が、それほど広くなく、かつ机の上に、ごちゃごちゃをものを置くのは好きではありません。

いわゆるカラオケマイクの形状ですと、長さも16cm以上でかさばります。
例えば SONYのECM-PCV80Uは、マイク部分だけで16cm、ケーブルをいれるとさらに奥行きが必要です。また、スタンドを取り付けて斜めに立てると高さも12cm以上となり、狭い机の上で圧迫感があります。

できるだけ場所を取らない、10 x 10 x 20 cm程度のコンパクトなものが希望です。

3.適正な価格

1,000円程度の安いものは、それなりの音声品質しか得られないことがわかりましたので、3,000円以上、できれば7,000円以下の価格帯で、コスパがよいものを探します。

意外と難しかったスタンドマイクの選び方

重視する点が明快・簡単なので、製品選びには、それほど苦労しないとおもっていましたが、甘かったです。今回は、予想外にかなり手間取りました。

理由は「PCスタンドマイク おすすめ」などで検索したときに上位にでてくる記事の評価軸が、私が知りたいこととずれており、参考にならなかったためです。

また、ランキングを掲載している記事も、ランキングの根拠が不明確で どうしてその製品が選ばれたのか、主要な製品をカバーしているのか怪しい記事ばかり。こちらも鵜呑みにはできません。

「このような製品がある」ということは知ることができますが、比較検討にはあまり参考になりません。私が重視している3つの要素(音質・コンパクトさ・価格の適正さ)についての詳細がまったくわからないのです。

こうした記事に書かれていた評価軸は 以下の5つ。
一応、ご紹介しておきます。

マイク接続端子
指向性
本体形状
スタンド形状
付随機能

マイク接続端子(USB/35mmミニプラグ)

USB
35mmミニプラグ

音質は「USB接続のほうがよい」という記事もありましたが、真偽のほどがわかりません。35mmミニプラグしかなくても、USBに変換できるアダプターもあるので、製品選びには影響しないようにも思えます。

指向性(単一/全指向性)

単一指向性(カーディオイド)
無指向性

ビデオ会議の場合は、こちら側は1人なので、単一指向性のものを選ぶことになるのでしょう。
ちなみに、マイクの指向性については、こちらの記事が詳しいです。

マイクの指向性:何を、どこで、どう使う?
マイクの指向性とは?種類による違いをわかりやすいイラスト付きで解説

本体形状(スタンド/フラット/クリップ)

スタンド
フラット
クリップ

フラット形状のものがあれば、コンパクトなので魅力的です。クリップ式のピンマイクは、身につけることになるので、私はちょっと遠慮したいです。

スタンド形状(スタンド/フレキシブルアーム)

スタンド付き
フレキシブルアーム

モニターアームと同様、マイクをとりつけて自在に動かせるマイクアームというものもあるようです。
こちらもマイク性能次第なので、いったん検討対象から外します。

付随機能(ミュート・ボリュームコントロール)

ミュート
ボリュームコントロール

これもあると便利な機能かもしれませんが、パソコン側で操作できますし、本来求めている3つの要素とは直接関係ないので、いったん脇においておきます。

参考にした記事の例は以下のようなものです。

https://my-best.com/1922
https://sakidori.co/article/306967

仕方ないので、いろいろな記事で紹介されている製品を1つずつ確認し、再分類することにしました。

スタンドマイクの種類を価格帯別に整理すると

Amazonなどで「PCスタンドマイク」で検索するとものすごい数の製品候補がでてきます。中華メーカーのものが多数混じっているせいもありますが、マイク・スタンド形状、接続端子の種類、指向性などで、さまざまな組み合わせができて製品種類が増えてしまうためかと思います。

掲載されていた製品をながめていると、PCスタンドマイクは大きく3つの価格帯で特徴が分かれることがみえてきました。

1.1,000円〜3,000円未満
2.3,000円〜6,000円未満
3.6,000円以上

1.1,000円〜3,000円未満

1,000円前後のものは、PCサプライヤーや中華メーカーなどが、お手軽に導入したい方向けに提供しているものです。2,000円台のものでは、国内メーカーのものもちらほら見受けられます。

あのソニーもECM-PC60という廉価版を提供しています。しかし、こちらは全指向性で通話音声以外の周囲の音を拾ってしまう可能性があるため、ビデオ会議には不向きかもしれません。

またかつてオーディオメーカーとして有名だったマランツのブランドを冠したAmazon限定品も888Mのブランドで2,000円強で販売されています。

この価格帯は、音質やホワイトノイズをそれほど気にせず、とにかく小型のものを求めている方向けの製品が多い印象です。

1,000円前後
2,000円程度
2,500円程度

2.3,000円〜6,000円

ソニー、マランツなど国内の著名オーディオメーカーの廉価版、中華系メーカー(FIFINE)などが中心です。形状も 皆が「マイク」と聞いてイメージする、いわゆるカラオケで手にするマイクの形をしたものが多くなってきます。
国産メーカーについては、ちょっと音質にこだわりたいけど、デザイン・形状については妥協できる人向けのように思います。また中華メーカーのものについては、「信頼性に若干不安はあるけれども、性能・デザイン・形状については、上位価格帯の製品に匹敵するものを安価に購入したい」という方向けかもしれません。

SONYのECM-PCV80Uについては、4,000円弱で販売されています。SONYブランド信仰もあってか、ブログ記事でも取り上げられることが多いですが、期待したほど音質がよくないという書き込みもあります。「ソニー」ブランドに対する過剰な期待の裏返しかもしれませんが、購入には注意が必要です。

マランツプロについては、Umpireという製品名で単一指向性のちょっと変わった形状のものを5,000円強で販売しています。

FIFINEという中華メーカーについては製品の品質について不安を感じる方もいるでしょう。

4,500円程度で販売されていますが、「予想外に音質が良い」「コンパクトで良い」というネットの評価記事も見られます。

FIFINEのUSBマイクと1万円以上するAudio Technical AT2020USB+を比較レビューした動画がこちらにあるので気になる方は参考になるかもしれません。

Amazonで2999円の中華製USBマイクを使ってみたらまさかの音の良さだったww 【FIFINE K669】

4,000円弱
4,500円前後
5,000円強

3.6,000円以上

この価格帯になると、ストリーマー、ゲーマーなど実況中継を行うのに耐えられる音質の製品がそろっています。

デザインにもこだわり、コンパクトなものも多く、ミュート機能、音量調整機能がついている機種もあります。
しっかりとしたスタンドもついていますが、マイクアームなどに取り付けて、自在に置き場所を変えられるような仕様になっています。

以下では、RAZERとHyperXの2例しか挙げませんでしたが、この価格帯ですと、中華メーカー、PCサプライヤーも含め、各社それなりの機能をもった機種を投入しているように思います。

6,500円前後
7,000円強

今回選んだスタンドマイクは?

今回選んだのは、HyperX SoloCastです。Amazonで 7,190円で購入しました。

サンプリングレート:
48kHz、44.1kHz、32kHz、16kHz、8kHz
ビット解像度:
16ビット
大きさ
17.4 x 9.7 x 7.8 cm
重量:
マイク:261g
マイクスタンド:125g
合計(USBケーブルを含む):429.9g
マイク
方式:
エレクトレットコンデンサーマイク
指向性パターン:
カーディオイド
周波数応答:
20Hz~20kHz
感度:
-6dBFS (1V/Pa、1kHz時)
ノイズ (RMS):
-74dBFS未満 (A特性)

コスパの観点からすると、「マイク性能」と「コンパクトさ」を満たしていそうな「FIFINE K669」とどちらにするか選択に迷いました。FIFINE K669も、コンパクトさでは HyperX SoloCastと同等です。

FIFINE K669 寸法

しかし、過去 中華メーカーの製品を購入して、あまり良い経験が得られていないことが心理的にひっかかります。結局、安物買いの銭失いになることを恐れ、HyperX SoloCastに決めました。

HyperX SoloCastについては、Amazonの「PC用マイク」のカテゴリでベストセラー1位になっていたのも、選ぶときに参考にしました。また、Kingstone社のHyperXブランドは、リストレストを長年愛用していて馴染みがあったので安心感もありました。

実際の使い勝手については、次の記事で紹介します。