ChatGPTに聞くインターネット通信速度の改善手法|Mac mini M2 Proの場合

光回線の速度改善 Wi-Fi改善

Mac mini M2 Proを使っていて通信速度が150 Mbpsしか出ない問題に遭遇しました。不思議なことに同じ場所から他のPCで接続すると通信速度は500 Mbpsを超えています。この問題を解決するためにChatGPTに聞きながら調査をしました。その結果、意外な解決策も見つかりました。

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Mac mini M2 Proで通信速度が出ない

現在のMac mini M2 Proの環境を整えてから、早いもので二年ほど経ちました。光回線もNURO光からSoftBank光に乗り換えてから1年半経ちます。設置当初に、WiFiルーター近くで通信速度を確認した時には500 Mbps程度出ていた記憶があり、ネットワークの利用には特に問題を感じていませんでした。

しかし、最近時々Webページが開くのが遅いなと感じることがありました。そこで改めてGoogleのスピードテストで通信速度を調査したところ、なんと150 Mbpsしか出ておりません。現在FXのスキャルピングをやり始めたこともあって、通信速度の低下は非常に気になります。FX取引、特にスキャルピングにおいては、通信の遅延は約定のタイミングを逃すリスクがあり、数秒の判断ミスが大きな損失に繋がります。したがって、この状態は放置できません。急ぎ対応を取ることにしました。

別のパソコンでは通信速度が速い

ネットワークの問題を解決する時には問題箇所の切り分けというのが重要です。ネットワークのプロバイダーから、私たちが利用しているスマホやパソコンまでの間にはさまざまなものが存在します。通信速度の遅さが、回線そのものの品質の問題なのか、途中で稼働しているルーターなどの通信機器の問題なのか、あるいはパソコンのスペックの問題なのか、一つ一つ問題を切り分けて行かなければなりません。まずはパソコン側の問題なのかを確認するために、同じ場所からThinkPadノートブックで接続してみました。すると、なんと500 Mbpsもの速度が出たのです。

Spped testの結果

はじめは「電波が届いていないから、Wi-Fi中継器を間に入れれば、通信が改善するだろう」と安易に考えてしまいました。電波が届いているパソコンがあるとすると、問題は別のところにある可能性があります。結論を出す前に、もう少し詳しく調べたほうがよさそうです。

考えられる原因をChatGPTに聞いてみた

こうした問題を調べるときに、以前でしたら検索キーワードを入れてそれらしい記事を色々眺めて自分なりの結論をだし、試行錯誤をしていました。しかし現在では生成AIという力強い味方がいます。さっそく、以下の質問をChatGPTに聞いてみました。ちなみに、ChatGPTは 月$20の有料版Plusを利用しています。

以下のような構成で通信をしています。
1F: Mac mini M2 Pro (Wi-Fi 6E対応)
2F: Buffalo WSR-3200AX4S WiFiルーター(Wi-Fi 6対応)
Mac miniは、1Fで利用しているときは、通信速度150 Mbps程度しかでませんが、 2Fに移動し、Wi-Fiルーターの近くで利用すると 500 Mbps以上の速度がでます。 Mac miniを1Fで利用しても通信速度がでるようにしたいのですが、以下の方法のうち、どちらが速度が改善する可能性が高いですか?理由と確からしさについても説明してください。
方法1)BuffaloのWi-Fi 6E対応のルーターを購入し、2Fに設置する。
方法2)BuffaloのWi-Fi 6対応の中継機、もしくは別のルーターを1Fに設置し、Mac miniはそれと通信する。

するとChatGPTは以下のような答えを返してきました。

項目 方法①:ルーターをWi-Fi 6E対応に変更 方法②:中継機や別ルーターを1Fに追加
速度改善の見込み 低い(×) 高い(◎)
理由 Mac miniは6E対応でも、6GHz帯は距離・壁に非常に弱いため、1Fまで届かない可能性が高い 1Fで直接受信するため、電波強度が改善され速度が出やすくなる
6GHz帯の電波特性 壁を越えにくく、2Fから1Fへの通信にはほとんど適さない
確からしさ 電波の物理特性に基づくため、改善の見込みは低い 中継・近接通信はWi-Fi改善の王道手法であり、成功率が非常に高い

Mac miniは据え置き+金属ボディにより電波を受けにくい傾向がある

  • ThinkPadは使っているときに画面を開いた状態になるため、アンテナが立っている状態で通信効率が良い
  • Mac miniは常時机の下や隅に設置されている場合が多く、周囲の遮蔽物(机・壁・床)によって反射や減衰が発生しやすい

さらに「ご希望であれば、Wi-Fiの実効速度ログ(macOSでのリアルタイムモニタリング)を取る方法もご案内できます。」とあります。せっかくなので聞いてみることにしました。

MacでリアルタイムのWi-Fi情報を確認する方法

MacでリアルタイムのWiFi情報の確認するには、Option(⌥)キーを押しながら、画面右上の Wi-Fiアイコン をクリックします。すると、以下のような情報がとれましたので、ChatGPTに分析してもらいます。

Mac miniのWiFi情報の確認

それによると以下のような分析結果を教えてくれました。

項目 状態 解説
チャンネル 36(5GHz、80MHz幅) 帯域幅は十分で良好
RSSI -84 dBm 非常に弱い信号強度(-70以下が理想)
ノイズ -87 dBm 低めで良好(干渉は少ない)
転送レート 288 Mbps 実効速度は100〜150Mbps程度になる可能性あり
PHYモード 802.11ax(Wi-Fi 6) 最新規格でOK
MCSインデックス 5 中〜低程度の通信速度モード
NSS 1 ストリーム数が1(最大2のうち1)で性能制限されている状態

問題点の要約

  • RSSIが非常に弱い(-84 dBm) → 通信品質が悪化
  • NSS=1(ストリーム数1) → 電波強度不足や干渉により、Macが1本しか使えていない状態
  • MCSインデックスが低い → 送信モードが落とされている(再送やノイズに弱い)

✅ 改善策(優先順)

🥇 1. Mac miniの設置位置を変える

  • 壁や床に近い、金属物が近い → 机の上や開けた場所に移動
  • 特にWi-Fiルーターとできるだけ直線距離を確保する

1FではMac miniを机の下の足元においていました。ChatGPTの分析結果をうけて、Mac miniを机の上に載せてみました。

するとなんと、通信速度が 300 Mbps近くまでアップしたのです!Mac miniは、床に直置きでは、どうやらWi-Fiの電波を十分にキャッチできなかったようです。

あらためて通信レポートを取得し、ChatGPTにみてもらいました。回答は以下のようなコメントです。

項目 状態 評価
チャンネル 36(5GHz、80MHz幅) ◎:帯域・周波数とも良好
RSSI -76 dBm △:中程度(やや弱い)
ノイズ -92 dBm ◎:非常に良好(干渉ほぼなし)
転送レート 272 Mbps △:改善されているがまだ中レベル
PHYモード 802.11ax(Wi-Fi 6) ◎:問題なし
MCSインデックス 3 △:低め(9が最高)
NSS 2 ◎:ストリーム数は最大に改善された
  • NSS(ストリーム数)が2に回復したのは大きな改善です。
  • ただし、MCSインデックスが3と低く、転送レートも272Mbpsに留まっていることから、まだ電波強度が不十分であることがわかります(理想はRSSI -65dBm以上、MCS 8〜9)。

これは、まだ改善の余地があることを示しています。

Wi-Fi中継器の購入は効果がある?

さて、ここで改めてWiFi中継機を置くことにより、更に速度アップが見込めるか聞いてみます。

Mac miniを机の上に置くことで添付の数字に改善できました。WiFi中継機を1Fに置くことで更に改善できる見込みはありますか?

ChatGPTの回答

中継機導入による改善の見込みは「高い」

✔ 中継機の導入効果

  • RSSIを -65dBm前後まで改善できる可能性が高い
  • MCSが5〜9程度に上がり、Txレートが600〜1200Mbpsクラスになることも期待できる
  • 実効速度が300〜600Mbps超に達する可能性あり

✔ 改善の確からしさ

  • 今回すでに設置位置だけでNSS=2になった点から、電波強度の影響が支配的であると判断されるため、中継機でさらに良好な信号状態が得られれば、確実に速度改善が見込めます

実際にWi-Fi中継機を入れると通信速度が改善しそうですが、ChatGPTとのやりとりで気になったことがあったので、1つ試して見ることにしました。

解決策は意外な方法だった

今回、ChatGPTとのやりとりの中で、気になった回答が1つありました。それは、以下の文章です。

Mac miniは筐体がアルミで、Wi-Fiアンテナが底面または内部にあるため、設置場所や姿勢によって受信性能に差が出やすいです。

もし「Wi-Fiアンテナが底面にある」のであれば、Mac miniの底面をWi-Fiルーター側に向けたらどうなるんだろうか?と思ったのです。

そこで、思い切って Mac miniの底面を上にして机の上においてみます。

Mac miniの底面購入時のシールそのままのMac mini M2 Proの底面

先ほどと同じように、MacでOption(⌥)キーを押しながら、画面右上の Wi-Fiアイコン をクリックし、 Wi-Fi情報を取得してみます。

するとどうでしょう!

驚くべきことに、RSSIの数値が-68 dBmまで上がり、MCSインデックスは6、NSSも2になり、理論上の転送レートも680 Mbpsとなっています。

この状態で Googleのスピードテストを行うと、なんと 470 Mbpsもの通信速度を叩き出しました。

Mac miniの底面を上にしたときのWi-Fi情報 Mac miniの底面を上にしたときにスピードテストの結果

Mac miniの通信速度を改善する方法は、Wi-Fiルーターを買い替えることでも、Wi-Fi中継機を追加することでもなく、なんとMac miniの本体を裏返すという単純なことだったとは・・・

無駄な出費をせずにすみました。ただ、Mac miniは、上下逆に設置することは推奨されておらず、以下のような懸念もあります。

1. 排熱設計に影響が出る可能性
Mac miniはファンと排気口の位置が設計上最適化されています。
上下逆にすると、内部のエアフローが乱れ、冷却効率が低下する可能性があります。2. 内部部品への負荷
SSDやファン、ヒートシンクは水平方向の設置を前提に設計されています。
長期間の逆さ使用によって、重力による偏荷重で部品の耐久性に影響が出ることも否定できません。

縦置きなら大丈夫なようなので、設置の仕方はもう少し試行錯誤してみます。

 

Wi-Fi改善
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