格安SIMへの乗り換えで後悔しない!デュアルSIM機能を使った自分好みの格安SIMの作り方

後悔しない格安SIM

勇気を出して格安SIMに乗り換えてみたものの、「通信速度が遅い」「つながらないことがある」などの不満な点が見つかり、乗り換えたことを後悔する人もいます。そんなとき、不満な点を解消する裏技を紹介します。

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格安SIMには得意・不得意がある

多くの人が格安SIMに対してもっているイメージ。それは「安かろう、悪かろう」でしょう。そのイメージの主な原因は、「通信速度が遅い」「つながらない」といった声をよく聞くからです。

しかし実際には、様々な特徴をもった格安SIMがあります。以下は一例です。

特徴 格安SIMの例
料金は少し高めだが通信品質が良い UQ mobile
通信品質は若干劣るが、料金がとにかく安い HISモバイル
通信速度は低速だが、データ容量が無制限 mineo
必要なときに必要なサービスを購入できる。 povo 2.0

「格安SIM」の料金が「格安」になっているのは理由があります。それは、なにかのサービスや機能の品質を下げることによって料金を下げているのです。

それは「通信速度」だったり、「データ追加料金」だったり、「電話サポートがないこと」だったり様々です。

その品質を下げられている部分が、自分にとって問題ない、あるいは気にならないものであれば、その格安SIMを契約しても問題ないことになります。

格安SIMが期待にそぐわなかったときどうする?

格安SIMに乗り換えるとき、それぞれ違った特徴をもつたくさんの格安SIMを比べ、  自分が良いと思ったものを契約します。しかし、ときには契約前には想定していなかったことが起こります。

私はHISモバイルを契約しました。

しばらく使ってみて問題なかったのですが、HISモバイルは、ときどき「使いたいときにつながらない」場合があることがわかりました。

HISモバイルに乗り換えて後悔しないために|知っておくべきデメリットと回避策は?

正直、HISモバイルを解約することも考えました。しかし、HISモバイルは、基本料金、通話料、データ追加料金の安さについては、他の格安SIMより優れています。「ときどきつながらない」という理由だけでHISモバイルを解約してしまうのは、初期手数料も無駄になってしまうので避けたいところです。

そんなときに思いついたのが、「HISモバイルの不得意なところを、別の格安SIMで補えないか?」というアイディアです。

格安SIMごとに 得意・不得意があるのであれば、不得意なところを別の格安SIMで補い合い 仮想的に自分好みの1つの格安SIMを作れるのではないか?と考えたのです。

格安SIM  ① 格安SIM ②
月額料金 得意 不得意
初期手数料 不得意 得意
音声通話料金 得意 不得意
通信速度 不得意 得意

果たして、そんな都合のよいことができるのでしょうか?

実はそれを可能にする機能が 最近のほとんどのスマホに搭載されています。

それは「デュアルSIM」機能です。

デュアルSIMとは

デュアルSIMとは、1台のスマホで複数のSIMを利用する機能です。

SIMには、nano-SIMカードと eSIMの2種類あります。

スマホが iPhoneかAndroidか、また機種の発売時期がいつ頃かによって、同時に利用可能なSIM 2つの組み合わせは変わります。以下は 2022年に発売されたスマホ機種において利用可能なSIMの組み合わせです。

スマホ機種 可能なSIMの組み合わせ
iPhone nano-SIMカード +  eSIM
eSIM +  eSIM
Android端末 nano-SIMカード 2枚
nano-SIMカード +  eSIM
eSIM +  eSIM

デュアルSIM機能は、大手キャリアで大規模通信障害が起きたときに、注目を集め直すことが多い機能です。記憶に新しいところでは、2022年7月2日から3日間にわたって続いたKDDIの通信障害があります。
KDDIの通信障害の全容が判明、大規模化・長期化を招いた本当の理由

こうした大規模通信障害が起きるたび、デュアルSIMが注目を集めます。

しかし、多くの人にとって、いつ起きるかわからない通信障害のためだけに、別のSIMを契約するのは現実的ではありません。単なる金銭的負担が増加するだけだからです。
こうして大規模通信障害がおきてしばらくすると、デュアルSIMは忘れ去られていきます。

デュアルSIM機能を使った自分好みの格安SIMの作り方

これから説明する「デュアルSIM」の使い方は、いつおきるかわからない通信障害の対策という消極的な目的ではありません。「より良い通信サービスをより安く受けたい」という積極的な使い方です。

では、具体的にデュアルSIM機能を使い、自分好みの格安SIMをつくってみましょう。

HISモバイルの得意・不得意な部分、それを補ってくれる格安SIMに求める機能は以下のようになっています。青字がHISモバイルが弱いところ、赤字が別の格安SIMに求めたい機能です。

格安SIM
HISモバイル
(自由自在290プラン)
欲しい格安SIM
回線 NTTドコモ
初期費用 3,300円 無料
最低料金 290円(100MBまで)
3GB基本料金 770円
追加データチャージ料金(1GB) 200円
通信速度(通常時) 10Mbps 30Mbps前後
通信速度(最も遅いとき) つながらない つながる
音声通話料金(円/分) 9円/30秒
SIM再発行手数料 3300円 無料

 

HISモバイルは、

  • 初期費用・SIM再発行手数料がかかること
  • つながらない場所がある

点が弱点でした。

したがって、別のSIMは通信速度がある程度速いものを選びます。

ただし、初期費用やSIM再発行手数料がかかるものは避けます。

そんな条件にピッタリ合うのが LINEMOです。

LINEMOの特徴

LINEMOは、LINEモバイルがSoftBankに統合され、リブランドした格安SIMです。

LINEMO単体でもユーザーにとって非常に魅力的なサービスを展開しています。

デュアルSIMで組み合わせて使うのに良い点は以下の4点です。

初期契約手数料が無料

SIMの変更・再発行時の費用が無料

デュアルSIMを使う上で、SIMカード再発行手数料については見逃せないポイントです。

iPhoneのように nanoSIMカード1枚、eSIM 1枚か、eSIM 2枚の組み合わせしか受け付けないスマホの場合、2つの格安SIMのうち、どちらか一方は eSIMを使う必要があります。

このeSIMというのは 意外と使い勝手が悪くて、スマホの機種変更をするときに再発行が必要になるのです。通常の格安SIMでは、このeSIMの再発行でも手数料をとりますが、LINEMOでは、SIMカードの再発行手数料は無料です。

キャンペーンで8ヶ月間実質無料

LINEMOの月額料金は3GBで990円です。しかし、2023年1月末までのキャンペーンで 8ヶ月間実質無料をうたっています。これは 月額料金990円を後日 PayPayポイントで還元するというものです。新規番号取得、もしくは 他社からのMNP乗り換えに限定されており、SoftBank, Y!mobile, LINEモバイルからの乗り換えは対象ではありません。

この月額料金負担が実質無料というのは、格安SIMを試す上で非常にありがたいポイントです。

格安SIMは、自分が生活している環境で実際使ってみないと、使えるかが判断できないからです。HISモバイルの例でもわかるとおり、カタログ上のスペックやホームページの情報だけではわかりません。

通信速度とつながりやすさ

みんそく(みんなのネット回線速度)のサイトによると、LINEMO(旧 LINEモバイル)の全国平均ダウンロード速度は 36.76Mbpsとなっています。(出典:格安SIMの通信速度レポート一覧

LINEMOは、SoftBank回線を使っており、SoftBankのサブブランドであるY!mobileに次ぐ 格安SIMに位置づけられています。ある程度の通信品質は期待できますし、NTTドコモ回線がつながらないところでも通信がつながる可能性はあります。

注意点は2点あります。

通話料金

通話料金は、他の格安SIMと同様に(22円/30秒)です。

データ追加料金

LINEMOには、料金プランが 月間 3GBか20GBしかありません。

月間3GBのプランを契約していて、3GBを超えてしまった場合、通常速度に戻すには 1GB 550円で追加データを購入する必要があります。

(通常速度に戻すための料金: LINEMO)

この追加料金は、格安SIMの中では標準的ですが、決して安い金額ではありません。

なるべくこのオプションを使わなくて済むよう、日々のデータ使用量には気をつける必要があります。

HISモバイルとLINEMOを組み合わせると

HISモバイルとLINEMOを組み合わせたときの機能比較は以下のようになります。

格安SIM
HISモバイル
(自由自在290プラン)
欲しい格安SIM
回線 NTTドコモ SoftBank
初期費用 3,300円 無料
最低料金 290円(100MBまで) 990円
3GB基本料金 770円 990円
追加データチャージ料金(1GB) 200円 550円
通信速度(通常時) 10Mbps 30Mbps前後
通信速度(最も遅いとき) つながらない つながる
音声通話料金(円/分) 9円/30秒 22円/30秒
SIM再発行手数料 3300円 無料

赤字部分はおすすめなところ。青字部分は不得意なところ

デュアルSIM機能では、音声通話をHISモバイルに設定し、データ通信をLINEMOに設定します。

こうすることで、音声通話が安い HISモバイルのメリットを受けつつ、データ通信の品質がより良いLINEMOのメリットも受けることができます。

料金については、HISモバイルではデータ通信はしませんので月額は最低料金の 290円、LINEMOは3ギガまで月額  990円です。

合計すると  290円 + 990円 = 1,280円の基本料金で

  • 通話料金が最安値
  • 通信速度、つながりやすさが並以上

の格安SIMができあがりました。

HISモバイルはNTTドコモ回線、LINEMOはSoftBank回線を利用しています。使っているキャリア回線が異なりますので、どちらかのキャリアで通信障害がおきても、スマホを使い続けることができます。