「クレジットカードに16万5,000円の年会費を払うなんて、お金持ちだけがすること」
かつての私なら、間違いなくそう思っていました。しかし、2025年10月にアメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード(以下、アメックス・プラチナ)を手にしてから半年。2026年4月末現在、私の考えは180度変わりました。本記事では、実際に半年間使い倒して分かったアメックス・プラチナのメリット、ポイント獲得のリアルな苦労、そして「どんな人ならこの高い年会費の元が取れるのか」を徹底解説します。
きっかけは、アメックス・デルタ・ゴールドカード
そもそも、アメックス・プラチナカードに興味をもったきっかけは、羽田空港にアメックス・センチュリオン・ラウンジが2025年7月にできるというニュースを目にしたからです。
空港ラウンジに興味をもちだしたのには伏線があって、それ以前にデルタ・アメックス・ゴールドカードで、航空会社ラウンジの良さを知ってしまっていたのが理由です。
デルタ・アメックス・ゴールドカードは、年会費 28,600円かかります。このカードを持っていると、アメリカ出張時に羽田空港や米国各都市空港のデルタ航空ラウンジでくつろげるので重宝しました。また、プライベートでフランス旅行にいったときに、羽田空港のJAL SAKURAラウンジや、パリ・シャルル・ド・ゴール空港のエールフランスの最高級ラウンジを体験できました。(エールフランスはデルタ航空と同じSkyTeamのため)公私共にとてもよい体験ができ、すっかり空港ラウンジにハマってしまいました。
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そこに飛び込んできた羽田空港の「センチュリオン・ラウンジ」誕生のニュース。最上位クレカのラウンジはどのようなものなのか?その扉の向こう側を見てみたいという好奇心が抑えきれなくなったというのがアメックス・プラチナカード加入のきっかけです。
加入のメリット(ポイント還元)
さて、アメックス・プラチナカードが提供する旅行時のメリットに触れる前に、基本的なポイント還元の仕組みについて触れておきます。基本的には100円利用で1ポイントとなります。その他の特典として、入会時のボーナスポイント特典と継続時特典の2つがあり、具体的には以下のような内容になっています。
入会初年度特典
入会時期によって若干の変更はありますが、私が入会したときは以下のようになっていました。
| 特典 | 達成条件 | ポイント数 |
| トラベル・ボーナス | 入会6ヶ月以内に対象加盟店で合計20万円以上のカード利用 | 30,000 |
| ご利用ボーナス1 | 入会4ヶ月以内に150万円以上のカード利用 | 40,000 |
| ご利用ボーナス2 | 入会8ヶ月以内に400万円以上のカード利用 | 80,000 |
| トラベルクレジット | 30,000トラベルクレジット (AMEXトラベルオンラインで利用可能) |
これらをすべて達成すると、初年度で150,000ボーナスポイントを獲得できます。これに通常利用によるポイント 40,000ポイント(年間400万円利用の場合)を加算すると、初年度年会費165,000円は、まかなえる計算になります。
ポイントの使い道としては、カード利用代金への充当、Amazonなどでの利用、あるいはANAなどのマイルへの交換が可能ですが、正直に言うと「アメックス内での利用」以外は交換レートがかなり見劣りします。したがって、ポイントを最大限活用するには、アメックスの支払いに利用したほうが良いと感じました。
2年目以降(更新時)特典
また、2年目以降の継続特典として、
・20,000円分のトラベルクレジット
・フリー・ステイ・ギフト(ホテル無料宿泊)
が付与されるため、継続利用でも一定のリターンが見込めます。カードの通常利用で加算されるポイントは、100円利用で1ポイントで変わりありません。
ポイントを貯める苦労
さて、初年度入会特典のボーナスポイントは非常に魅力的なので、どうしてもゲットしたいところです。私の場合、入会したのが10月末で、年末年始に向けて大きめの出費が予定されていたこと、さらに海外旅行も控えていたこともあり、ご利用ボーナス1(最初の4ヶ月で150万円利用で30,000ボーナスポイント)を獲得するのはそれほど難しくありませんでした。
しかし、問題はご利用ボーナス2(8ヶ月以内に400万円利用で80,000ボーナスポイント)の獲得です。これは格段にハードルが上がります。”ご利用ボーナス1”のときと同等以上のペースで、次の4ヶ月間にカード利用をする必要があります。
この達成のために、私が実際にやったこととしては、
・日常の買い物をすべてカード決済に集約
・固定資産税などの税金支払いをカード払いに(システム利用手数料はかかります)
・ふるさと納税の前倒し利用
・各種サブスクの徹底的なカード払い
といった「決済の総動員」が必要でした。加えて、家族にも協力してもらい、海外航空券の前倒し購入なども含めて、家庭内の支出をできる限り集約したことで、なんとか前倒して6ヶ月で達成できました。
普段から年間400万円以上をカードで利用している人であれば、難しいものではありませんが、一般庶民にはなかなかきつかったです。
アメックス・プラチナで利用できる空港ラウンジ
アメックス・プラチナカードでうれしいのは、世界中で利用できる空港ラウンジの幅広さです。利用できる航空会社ラウンジは、大きく3種類に分類できます。(最新情報は、英語の Global Lounge CollectionのTerms&Conditionsを参照してください。日本語のサイトは情報漏れや更新遅れで記載がないことがあります )
| ラウンジ名 | 運営 | 特徴 | 同伴者(無料) |
| センチュリオン・ラウンジ | AMEX | 本会員だけでなく家族会員だけでも利用可能。 | 2名まで(注:2026/7/8から1名) |
| デルタ・スカイクラブ | デルタ航空 | デルタ便(または提携便)利用時。家族カード会員も利用可能。回数制限あり | 有料($50)なら利用可 |
| プライオリティ・パス | 独立系 | 世界1,800カ所以上。LCC利用時でも入れる圧倒的な網羅性。家族カード会員も無料で発行可能 | 1名まで |
以前はルフトハンザのラウンジも使えましたが、2026/9/30をもって利用停止になるとのこと。
デルタ・スカイクラブについては、年10回の回数制限があります。追加訪問は有料購入可能です。またスカイクラブ利用には、ベーシックエコノミーチケットでは入室できないため注意が必要です。
私の場合は、アメックス・デルタ・ゴールドカードも継続保有していたので、デルタ・スカイクラブのサービスがアメックス・プラチナと重複してしまいます。デルタ・ゴールドカードを解約しようかとも思いましたが、解約してしまうと、デルタ航空でのマイル加算や、アップグレードの機会を失うことになるため、そのままにして様子見することにしました。
実際にセンチュリオン・ラウンジを利用した感想は?
さて、アメックス・プラチナカードを実際に使い、センチュリオン・ラウンジを体験した感想です。幸運なことに、出張とプライベート旅行が重なり、この半年間に以下の4つのセンチュリオン・ラウンジを利用することができました。
羽田空港(第3ターミナル)
羽田空港のセンチュリオン・ラウンジは、出張とプライベート旅行で2回利用しました。正直に言えば、期待が大きすぎたかもしれません。他の海外拠点に比べてスペースが狭く、席の間隔もタイトなのが残念でした。フライトが集中する時間帯によっては混雑し、入室を待たされることもあるそうです。料理は「赤坂 おぎ乃」監修のメニューを含めて、ほぼ期待どおりのものでその点は良かったです。
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アトランタ(米国)
Hartsfield-Jackson Atlanta International Airportの国際線コンコースEにあるラウンジを利用しました。本場のセンチュリオン・ラウンジは素晴らしかったです。広大な空間、充実した食事、これぞプラチナの特権と感じさせてくれるクオリティでした。
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メキシコシティ(MEX)
メキシコシティ国際空港(MEX)のラウンジに入りました。メキシコシティ国際空港は、大規模工事中で、至る所に足場が組まれており、入口を見つけるのに相当な苦労を強いられました。ここのスタイルは珍しく、ビュッフェではなく注文形式(アラカルト)。プラチナ会員はすべて無料なのですが、注文するたびに、メニューの値段やチップを渡さなくてよいのかが気になってしまい、ちょっと落ち着かない感じでした。
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香港
香港国際空港のラウンジにも入りました。ここは広々としたオープンスペースで席数にも割と余裕があります。こちらは中華料理の質が非常に高いです。特におかゆとアワビは絶品で、何回かおかわりしてしまいました。
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ホテル利用のメリットは?
ホテル関連の特典は、アメックス・プラチナが提供するサービスの中でも、空港ラウンジと並んで満足度が高い部分です。
まず、主要ホテルチェーンの上級会員資格(ゴールドなど)が付与されるため、
・部屋のアップグレード
・レイトチェックアウト
・朝食無料
といった恩恵を受けやすくなります。
さらに、ファイン・ホテル・アンド・リゾート(FHR)の対象ホテルでは、以下の特典が付与されます。
・3泊以上で1泊無料(施設により条件あり)
・朝食2名分無料
・100ドル分のホテルクレジット(食事やスパなどに利用可)
・客室アップグレード(空室状況による)
実際に、マンダリンオリエンタル香港では、通常1泊8万円x3泊=24万円のところ、3泊目無料特典により2泊分の16万円で宿泊できました。さらに100ドル分のクレジットを使って、ホテル内のカフェやベーカリーを楽しむこともでき、滞在全体の満足度は非常に高かったです。
ポイントは、「もともと高級ホテルに泊まる人ほど得をする設計」になっている点です。普段ビジネスホテル中心の方だと恩恵を活かしきれない可能性があります。
ダイニング
ダイニング特典として代表的なのが「招待日和」です。これは、対象レストランでコース料理を2名で予約すると、1名分が無料になるというものです。
一見すると非常に魅力的な特典ですが、実際に使おうとして感じたのは、
「対象店舗の好みがかなり分かれる」
という点です。
掲載されている店舗はエリアやジャンルも限定されているため、
・行きたい店がたまたま対象にあるか
・利用シーンが合うか
が重要になります。
私の場合、対象店舗を調べてみたものの「ここに行きたい」という店があまり見つからず、現時点では利用できていません。
したがって、この特典は
「使えれば大きいが、使わなくても仕方ない」
くらいの位置づけで考えておくのが現実的です。
その他に、予約が困難な名店の席を確保してくれる「KIWAMI Dining」がありますが、こちらは敷居が高い超高級店ばかりなので、まだ利用できていません。
アメックス・プラチナを「おすすめする人」の条件
半年間利用した結論として、このカードは万人に勧めるものではありません。しかし、以下に当てはまる人にとっては、年会費16.5万円以上のリターンを約束してくれる最強のパートナーになります。
- 年1回以上、家族が海外へ行く方: 本会員はもちろんですが、家族会員でも単独で空港ラウンジを使えるメリットは計り知れません。
- 高級ホテルに宿泊する習慣がある方: FHRの「1泊無料」や「100ドルクレジット」を1〜2回使うだけで、年会費の元が取れます。
- 決済額を年間400万円以上に集約できる方: 入会ボーナスを確実に仕留められると、初年度のコスパが更に高くなります。
- 「体験」に投資したい方: 空港での待ち時間やホテルでの滞在そのものを「旅の目的」に変えられる人には、これ以上ないカードです。また、予約困難な店で食事をしたい人、普段から会食する機会が多い人などにもメリットは大きいと思います。
現在の円安・インフレの状況下では、海外旅行のコストは跳ね上がっています。だからこそ、こうした「特権」を賢く使い、旅の質を落とさずに賢く贅沢を楽しむ。そんなライフスタイルを目指す方にとって、アメックス・プラチナは単なる決済手段ではなく、素晴らしい世界への「入場券」になるはずです。








