実家に帰った時に古いカセットテープを大量に見つけました。この中には当時のFMラジオで録音したクラシックやギター曲など、今では手に入らない貴重な音源も含まれています。せっかくならこれらをデジタル化し、スマホやパソコンで手軽に楽しめるようにしたい。そこで今回は、現在も販売されているカセットテープ再生機器の種類や特徴、デジタル化に適した選び方、そしておすすめ機種についてまとめてみました。
1.意外と根強い人気のカセットテーププレーヤー
家電量販店やネットショップを調べてみると、今も多くのカセットテープ再生機器が販売されています。特に驚いたのは「CDラジカセ」と呼ばれる、CD・ラジオ・カセットを一体で楽しめるオールインワンタイプが現役で人気を保っていることです。しかもそれらを発売しているメーカーは、ソニー、アイワ、東芝など、かつて音響機器の製造で世界に名を轟かせていたメーカーです。(ただし、ほとんどのメーカーは、新興企業や中華系企業に買収されていたり、ブランド名貸与の状態であり、往年の製品品質は維持できていない可能性があるので注意が必要です。参考記事)
また、レコードプレーヤーについてもこうした往年の大手音響機器メーカーのブランドで多数販売されています。SpotifyやApple Musicなどの音楽ストリーミングサービスが主流となった現在において、こうしたアナログメディア全体が再び注目されていることに不思議さを感じました。
2.カセットテーププレーヤーの種類と価格
カセットを再生できる機器は、大きく「CDラジカセ」と「カセット専用プレーヤー」の2つに分けられます。それぞれの代表的な機種を主な機能と価格の観点で紹介します。
<CDラジカセ>
カセットテープの再生はもちろんのこと、音楽CDの再生、AM/FMラジオをそのまま聴ける機種たちです。
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<カセット専用プレーヤー>
CDプレーヤーやAM/FMラジオ、再生スピーカーなどの機能を削ぎ落とし、カセットテープの再生に特化した機種たちです。
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3.カセットテープ再生機器の選び方
カセットプレーヤーを選ぶ際は、利用シーンに合わせて選ぶことがもちろん重要ですが、「音源のデジタル化」をメインに考えている場合には、特に「音質」と「外部出力」の2つの観点を意識するのがおすすめです。
● 音質
再生用スピーカーの有無に関わらず、まず内部構造がステレオ再生に対応しているか確認する必要があります。カセットプレーヤーの一部の低価格機種には、モノラル再生にしか対応していないものがあります。カセットテープがステレオ録音されている場合は特に注意が必要です。
● 外部出力
USB接続や外部出力端子(ラインアウト)がある機種が必要です。デジタル化を前提にするなら、スピーカー付きでなくても十分です。むしろ、CDプレーヤーやスピーカーは、デジタル化が済んでしまえば邪魔になるので、ついていないほうがよいでしょう。
なお、パソコンと接続してのデジタル化には、Audacityというオープンソースソフトウェアが利用できます。
4.その他の選択肢は?
中古品になってしまいますが、かつてのカセットプレーヤー付きミニコンポは、もし現在も動作確認がとれているのであれば、高音質でカセットテープを再生できる機器となります。ただし、アンプ内蔵、スピーカー付属となるとかなり場所をとりますので、デジタル化重視の場合には、家にスペースがとれないとちょっと選択しづらいかもしれません。
5.おすすめ機種は?
カセットテープはアナログメディアの中でも特に思い出深いものですが、劣化のリスクがあるのも事実です。カセットテープの寿命は20年〜30年と言われています。
カセットテープの再生機器は「パソコン不要、その場での再生重視」か「デジタル化重視」かで選び方が変わります。
今後長く楽しみたいのであれば、まずは高音質のプレーヤーでデジタル化しておくのが安心です。
高音質でのデジタル化重視、なるべく場所をとらない機種としては、ラジカセタイプなら ソニー CFD-S70 もしくは サンワダイレクト 400-MEDI050BK が挙げられます。CD再生が不要であれば、サンワダイレクトで十分でしょう。
テープ再生に特化した機種であれば、マクセル MXCP-P100 か、東芝 AX-W10 がおすすめです。Aiwa GAA4-PCR0001 はモノラル再生でステレオでないので対象外でしょう。東芝 AX-W10 は 「ノーマルカセット推奨」と書かれています。「クロムテープ」や「メタルテープ」を利用していなければこちらで十分でしょう。ただし、東芝 AX-W10 を販売している企業は、東芝エルイートレーディングであり、本体の東芝とは別ものなので注意が必要です。