JFXのWindows用MT4をMacパソコン上で利用するためにWineのオープンソースを利用します。インストール手順が複雑なため、順を追って説明します。
手順は大きくわけて以下の3ステップです。もし途中、どこかのステップでつまずいた場合には、エラーメッセージをChatGPTにいれて聞いてみるとよいでしょう。自分で苦労して英語のマニュアルを読み解かなくても、かなり的確に解決策を教えてくれます。
XQuartzのインストール
XQuartz(エックスクォーツ)は、macOS上でX Window System(通称X11)を動かすためのソフトウェアパッケージです。X11は、Unix系OSで広く使われているGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)システムで、今回のWineでも利用されています。
現在のmacOSにはXQuartzはデフォルトでインストールされていないため、以下からダウンロードしてインストールしておく必要があります。
公式サイト(https://www.xquartz.org/)
Rosetta 2のインストール
次に “Wine”をインストールするために、Intelプロセッサー向けに開発されたソフトウェアを管理するパッケージ管理ツール「Rosetta 2」をインストールします。
Macパソコンは、2020年以前はIntelが作成したプロセッサーを利用してきました。しかし、2020年からAppleは、自前のプロセッサーを開発するようになりました。そのため、Appleシリコン M1の登場後、macOSはIntelプロセッサー(x86_64)とAppleシリコンプロセッサー(ARMアーキテクチャー)の両方に対応しています。しかし、macOSはどちらのプロセッサーに対応していても、これまでIntel Mac用に作られたアプリは、Appleシリコン上では動きません。
そこで用意されたのが、「Rosetta 2」と呼ばれる互換レイヤーです。Rosetta 2によって、従来のIntel Mac用に作られたアプリでもAppleシリコンのMacパソコンでも使えるようになります。
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Wineプロジェクトのソフトウェアは、これまで Intel Mac用に開発されてきています。そのため”Wine”をAppleシリコンのMacで動かすには、「Rosetta 2」をまずインストールします。
「ターミナル」を開き、以下の2つのコマンドを実行します。
arch -x86_64 /usr/local/bin/brew tap gcenx/wine |
arch -x86_64 /usr/local/bin/brew install –cask wine-crossover |
無事にインストールできたかどうかは、以下のコマンドを実行して確認します。
wine –version |
その結果、
/usr/local/bin/wine |
と表示されたらインストール成功です。
JFX Windows版MT4のインストール
さて、いよいよ JFXのWindows版MT4のインストールです。以下のサイトから、インストーラーのjfx4setup.exeをダウンロードしておきます。
Wineが正常にインストールされていると、通常 macOSでは何もアイコンがついていなかった”.exe”ファイルに、”Wine”のアイコンが付くようになります。
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このファイルをダブルクリックするとすぐにインストールを実行できそうですが、以下のエラーメッセージが出ることがあります。
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これは、macOSのセキュリティ強化の影響で、検証されていないダウンロード済アプリはすぐに開けないようになっているからです。
この解除には、「設定」→「一般」→「プライバシーとセキュリティ」で、「このまま開く」を押すと実行できるようになります。
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以下のようなメッセージがでてWineのセットアップが完了し、Windowsアプリの”.exe”ファイルが実行できるようになります。
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jfx4setup.exeがおいてあるフォルダに移動して、ターミナルで以下のコマンドを実行します。
wine jfx4setup.exe |
以下のようなインストーラーが起動し、MT4がインストールされます。
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インストールされたファイルはどこにある?
MT4のアプリ自体は、「ユーザ」フォルダの下に入っています。ただし、隠しフォルダになっているので、そのままでは見られません。
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Command + Shift + .(ドット) を同時に押すと、隠されていた “.wine” フォルダが現れます。
/.wine/drive_c/Proguram Files(x86)/JFX MT4/terminal.exe が MT4の実行ファイルです。
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ただ、このままでは使いづらいので、アプリアイコンに直してすぐに起動できるようにします。
ユーティリティにある「Automator」を利用します。
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「シェルスクリプトを実行」を選択肢、以下のコマンドを記入して、wineの実行環境から、MT4 ターミナルのexeファイルを呼び出します。
/usr/local/bin/wine “$HOME/.wine/drive_c/Program Files (x86)/JFX MT4/terminal.exe”
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Animotorで、「ファイル」–>「保存」で 「アプリケーション」フォルダに保存すれば出来上がりです。
アプリの一覧を出したときに、”wine”のステーブル環境のアイコンとともに、”JFX-MT4″のアイコンも表示されます。今後は、このアイコンをクリックするだけでMT4を起動できます。
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アイコンの絵を変えたい場合には、「アプリケーション」フォルダから作成した”JFX MT4″のアプリを右クリックし、「情報を見る」を選び、左上の小さいアイコンの上で画像をペーストすれば変えられます。