格安SIMの月額プランは、毎月のデータ容量が3GBまでのミニプランと 毎月15GBもしくは20GBの大容量プランが主流です。データ容量をほとんど使わない人と、よく使う人の中間がなく、中容量の5GB〜10GBの良いプランを探すのは意外と難しいのです。月のデータ容量が5GB〜10GB程度で、速くて安い格安SIMがないか調べてみました。
- 究極の選択:大容量プランかミニプランか?
- データ増量は割高
- 5GB-10GBの格安SIM
- MVNO系格安SIMの注意点
- 5GB-10GBの格安SIMのおすすめは
- OCNモバイルONEのメリット・デメリット
究極の選択:大容量プランかミニプランか?
格安SIMの有名どころには、ahamoやUQmobile, Y!mobile,楽天モバイルなどがあります。こうした大手キャリアのサブブランドでは、毎月のデータ容量は、3GBまでのミニプランか、15GB/20GBの大容量プランに二極化しています。
会社名 | 3GB | 5GB-10GBの中間データ容量のプランがない! | 15GB | 20GB |
Ahamo | 2,970円 | |||
UQmobile | 1,628円 | 2,728円 | ||
Y!mobile | 2,178円 | 3,278円 | ||
楽天モバイル | 1,078円 | 2,178円 | ||
LINEMO | 990円 | 2,728円 |
この場合、
- 毎月のデータ使用量は3GBを超えることはない!
- 毎月のデータ使用量はほぼ15GBや20GB近くになる
という人であれば格安SIM選びにそれほど悩むことはありません。
しかし、「3GB未満で済む月もあれば、3GB超えてしまうこともある。でも10GBまで行くことはない」という中途半端な利用状況の人には、ピッタリのプランがなかなかないのが現状です。
データ増量は割高
「毎月のデータ使用量が不安定ならば、月額3GBのミニプランにしておいて、必要になったときにデータ増量をすればよいのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし残念ながら、こうした料金プランをもつ格安SIMでは、データ容量増量は割高になるように設定されています。データ増量は通常 1GB 550円となっていることが多く、2GB足すと2,000円〜3,000円。15GBの大容量プランの月額とほぼ同じになってしまいます。
「3GB超えることもあるし、データ増量すると大容量プランと同じ料金になってしまうのであれば、はじめから大容量の15GBや20GBのプランにしておこう」というユーザー心理を狙った価格設定のように思われます。
5GB〜10GBのプランをもつ格安SIM
5GB〜10GB程度で1,500円前後のプランはないのでしょうか?
大手キャリアのサブブランドSIMが難しいようであれば、別の手段を探すしかありません。MVNO系の格安SIMには、月間データ容量が5GB〜10GBのプランをもつものもあります。例えば以下のようなものです。
会社名 | データ容量 5GB | データ容量 10GB |
日本通信SIM | 1,390円 | |
mineo | 1,518円 | 1,958円 |
IIJmio | 990円 | 1,500円 |
nuroモバイル | 990円 | 1,485円 |
LINEMOのミニプランが3GBで月額990円なのに対して、IIJmioやnuroモバイルでは、5GBで990円です。またUQmobileやY!mobileでは15GBで3,000円近くするのに対して、これらの格安SIMでは10GBで1,500円前後のプランを提供しています。
これらの料金プランは一見するとお得に見えます。
しかし以下の点に注意が必要です。
MVNO系格安SIMの注意点
格安SIMを選ぶときに、月額料金とデータ容量だけで選んではいけません。
MVNO系格安SIMを購入するときに気をつけなければならないのは、通信品質です。
通信品質は、「必要としている場所でつながるか」と「通信速度が十分速いか」の2つの点が重要になります。
<格安SIMの種類による通信品質の違い>
大手キャリアのサブブランド | MVNO系格安SIM | |
格安SIMの例 | ahamo, UQmobile, Y!mobile, LINEMO | mineo, IIJmio, 日本通信SIMなど |
通信品質 | どの場所でも、どの時間帯でも、ある一定通信速度が保証されている | 場所によってつながらないことがある。
時間帯によって通信速度が極度に遅いことがある。 |
MVNO系格安SIMでは、料金が安くなるかわりに、この「通信品質」を犠牲にしているケースが多々有り、契約する前によく調べておくことが重要です。
例えば、私自身の経験では、以下ような現象がありました。
- mineoは スマホ利用が集中する平日昼時 (12:00-13:00)に著しい速度低下(QRコード決済にも遅れがでるくらい)
- HISモバイルは、ビルの地下など場所によって通信がつながらない
- 楽天モバイルは、利用地域によっては電波が入らない
さて、毎月5GB-10GBのデータを利用したい人にとって、それぞれ格安SIMのメリット・デメリットを整理してみます。
大手キャリアのサブブランド | MVNO系格安SIM | |
格安SIMの例 | ahamo, UQmobile, Y!mobile, LINEMO | mineo, IIJmio, 日本通信SIMなど |
メリット | どの場所でも、どの時間帯でも、ある一定通信速度が保証されている | 5GB-10GBでも毎月1,500円前後ですむ料金プランがある |
デメリット | 3GBプランにデータ増量すると割高になる。
15GB-20GBプランは3,000円前後で高額 |
場所によってつながらないことがある。
時間帯によって通信速度が極度に遅いことがある。 |
どちらの種類の格安SIMにも一長一短がありますが、このジレンマを解消する方法もあります。
それは、OCNモバイルONEを利用することです。
5GB-10GBの格安SIMのおすすめは
OCNモバイルONEは、NTTレゾナントが提供する格安SIMサービスです。従来はNTTコミュニケーションズが提供していましたが、2022年1月のNTTドコモによるNTTコミュニケーションズの子会社化(ニュースリリース)により、事業が再編され、現在はNTTレゾナントが運営しています。
このOCNモバイルONEでは、月間データ容量 1GB/3GB/6GB/10GBの4つの料金プランを提供しています。
2021年4月から料金体系を変更し、各データ容量において他の格安SIMと同等の安さを実現しています。
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データ通信だけなら更に安くなります。
通信容量/コース名
|
音声対応SIMカード
SIMカード利用料120円含む
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SMS対応SIMカード
SIMカード利用料120円含む
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データ通信専用SIMカード
SIMカード利用料0円含む
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500MB/月コース
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550円(税込)
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-
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-
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1GB/月コース
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770円(税込)
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-
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-
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3GB/月コース
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990円(税込)
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990円(税込)
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858円(税込)
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6GB/月コース
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1,320円(税込)
|
1,320円(税込)
|
1,188円(税込)
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10GB/月コース
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1,760円(税込)
|
1,760円(税込)
|
1,628円(税込)
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OCNモバイルONEの基本仕様は以下の通りです。
初期費用 | 3,300円*1 |
SIMカード手配料 | 433.4円 |
通話料 | 10円/30秒 |
データ増量 | 1GB 550円 |
通信回線 | NTTドコモ |
*1 通信販売サイトや店頭等にてパッケージをお求めの場合は、初期手数料は発生しません。パッケージをお求めいただいた会社が指定する支払い先へ、パッケージ費用をお支払いいただきます。
利用開始月無料
利用開始月(月額基本料の料金起算月)は、お申し込み日(お申し込み時に本人確認書類が必要な場合は、本人確認書類の確認が完了した日)の10日後を含む月とします。
初期費用は3,300円と書かれていますが、安くする方法があります。
Amazonなどで販売されているエントリーパッケージを購入するのです。3,300円の初期費用が 317円で済みます。SIMカード手配料 433.4円は いずれの場合でも必要になります。
OCNモバイルONEのメリット・デメリット
OCNモバイルONEのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
通信品質 | eSIMに対応していない |
通話料金 | SIMカードの再発行・変更に手数料がかかる |
料金体系 | バッテリー消費が早い? |
通信品質
OCNモバイルONEが他の格安SIMに比べてよい点は通信品質です。
MVNO系格安SIMの 「HISモバイル」と、場所・時間帯を変えて通信速度を比較してみます。
HISモバイルは 20Mbps以下、ひどいときには10Mbps以下となるときもあるのに比べ、OCNモバイルONEのほうは、どの条件でも 20Mbps以上でており、安定した通信ができることがわかります。
休日夕方 ターミナル駅
OCNモバイルONE
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HISモバイル
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下り 52Mbps / 上り33Mbps
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下り 12Mbps / 上り35Mbps
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平日朝 都心
OCNモバイルONE
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HISモバイル
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下り 27Mbps / 上り4Mbps
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下り 16Mbps / 上り4Mbps
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平日夕方 ターミナル駅周辺
OCNモバイルONE
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HISモバイル
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下り 37Mbps / 上り5Mbps
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下り 6Mbps / 上り5Mbps
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月額料金が安いMVNO系格安SIMが苦手とする時間帯、平日朝、夕方においても20 Mbps以上の安定した通信速度がでていることがわかります。
2.通話料金
OCNモバイルONEは通話料金が 10円/30秒であるところもよい点です。他社では 22円/30秒の場合がほとんどだからです。
OCNでんわ*1の通話料
※OCN モバイル ONEからの国内発信に関しては原則OCNでんわ発信となります。
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11円(税込)/30秒
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その他の通話料
※OCNでんわ発信対象外の通話の場合
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22円(税込)/30秒
※テレビ電話などのデジタル通信量は39.6円(税込)/30秒です。
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OCNでんわについて

1.eSIMに対応していない
一方、OCNモバイルONEを利用するときに注意しなければならない点もあります。
その1つがeSIM非対応です。
デュアルSIMを行いたい場合に注意が必要です。iPhoneでデュアルSIMをしようとした場合、OCNモバイルONE以外のSIMは eSIMにする必要があります。
デュアルSIMの構成の仕方
iPhone | Android |
nanoSIMカード x1
eSIM |
nanoSIMカード x 2
eSIM |
2.SIMカードの再発行・変更に手数料がかかる
また、SIMカードの再発行・変更に手数料がかかる点も注意が必要です。
音声対応SIMカード: |
データ通信専用SIMカード |
税込3,300円/枚 | 税込1,980円/枚 |

バッテリーの消費が速い?
OCNモバイルONEの「よくあるご質問」コーナーを調べていて気になる点を見つけました。
「OCNモバイルONEのSIMカードを使うとスマホのバッテリー消費が早くなる」というものです。(FAQ) 私自身が利用していたときは、あまり気になったことはないのですが、原因は「プライベートIPアドレス」ではなく、「グローバルIPアドレス」を使用していたことによるものだそうです。
[新コース]を契約した場合には、「プライベートIPアドレス」を利用することでこの問題は解消される可能性があるとのことです。